サッカーと野球:
本音を言えば、本日はこういう話題を取り上げている場合ではなく、第7波が本格化して、ジャイアンツでは菅野や岡本以下合計38名もの罹患者と濃厚接触者が出て、更に二軒の相撲部屋が休場に追い込まれたというような深刻な話題に持って行くべきだとは思う。だが、この対策問題は昨日に「岸田さん!頼みますよ」で取り上げたので、敢えて本日は論じないことに決めた。
パリサンジェルマン対川崎フロンターレのサッカー:
TBSが鳴り物入りで予告していたパリサンジェルマン対川崎フロンターレの試合を、全く何ら具体的な期待感もなく観ていた。期待感と言うよりも、シーズン開幕前にやって来たこの世界各国の代表選手を集めたという集団が、どのようなサッカーをするのかという疑問点はあった。
中継放映中にチラと出た上位3選手の年俸は具体的に覚えていなかった。検索すると、エムバペ(フランス生まれのカメルーン人か)が127億円、メッシが89億円、ネイマールが78億円辺りのようだった。当方にはこのような金額が高いのかどうかを判断する尺度の持ち合わせがないので、それに見合うサッカーってどんな物かという興味はあった。
この3人以外も皆飛び抜けて上手いのだろうが、テレビの画面では誰がどのように凄いのかが分からなかったのが残念だった。しかしながら、エムバペの身体能力と球扱いの技術がずば抜けていることだけは解った。だが、私の目には誰も真剣になって「やってやろう」とか「目に物見せてやろう」という気迫を見せていたのではなく、今時分は安全にやっておこうという慎重な球回しに徹していたかのように見えた。結果的にスピード感が無かったと思う。
しかし、川崎の連中は「ここで世界最高の選手たち相手に頑張って、我々にだって出来ることを見せてやろう」という勢いで、必死になって当たっていくので、大物3人は何度か当たれては倒されていた。
私の目には川崎の選手たちには悪いが「先方は手抜きではないまでも、本気では当たってきておらず、相手の顔を潰さない程度にあしらって、最低の得点で勝っておこう」というサッカーをやっているように見えた。だから「今、シュートすれば良いのでは」という好機が来ても敢えて蹴らなかったように見えた。
川崎は流石にJリーグの王者だけあって、大敵を相手に必死の攻防を展開していた。私の目には際立って見えたのは、記憶違いでなければ嘗てはG大阪にいた家長の上手さだった。だが、彼らは攻めようにも何も、苦しい守りの態勢から出ていくので、殆ど人数が揃わなかったので、前半には左側から得点の好機が2~3度巡ってきたが、イタリア代表のGKの上手さに阻止された。サンジェルマンが何処まで本気なのかが不明だったので、川崎の力が何処まで通用したかは解らなかった。
ところが、後半にはサンジェルマンが各国の代表選手ではあっても、ここでは二軍の選手である連中に切り替えると、彼らはここで目立ってやろうとしたのか、一気にスピード感溢れるサッカーに変わって、川崎の方にも勢いが出てきた。それこそ「何処まで太刀打ちできるのか」という視点から見ていられるようになった。感心したことはと言えば、ドイツ代表選手が二軍だったということ辺りか。
ではあっても、興行主が何処の何方か知らなかったが、あの3人とその他の各国代表選手がどれほど上手いのかの大凡の見当は付いただけでも収穫があった。双方の間には年俸の差ほどの実力差があったのだろうとは思うが、何となくサンジェルマンの一軍が本気でやってくれなかったのが、残念だったと言える気がする試合だった。
告白すると、川崎が1点取ったときは、裏番組だったスワローズがジャイアンツを振り切る村上のホームランの場面に出会って、喜んで観ていた。野球を見ていた訳は「サンジェルマンが2対0で押し切ると思っていた」ので。
スワローズ対ジャイアンツ:
「多数の感染者が出て苦しんでいたスワローズが、何処まで立ち直れたかを見ようと思った」と言えば格好が良いが、中継放映があったのがこれと西武対ロッテだけだったので、前者を選んだだけのことだった。
ジャイアンツが苦し紛れに使ったのだとみている重信がドン詰まりのヒットで先取点を取った辺りで、未だスワローズは無理かなと思って、サッカーに集中することにしていた。あれはハーフタイムの時だっただろうか、ジャイアンツは登板過多ではないかと思わせる鍬原を出してきたのは「無理があるのじゃないか」と思わせてくれたが、案の定追加の2点を取られた。これも投手コーチの失態だと見たが、次なる失敗は一軍初登板というクロールを出したことだった。
解説の館山昌平が「村上はそのコースに来る球をわざとタイミングが合っていないかのような空振りをしてみせる技巧が備わってきた」と、その前の打席の時に褒めていた。村上はクロールが作ってしまった走者一・二塁の場面で登場し、矢張り外寄りの高目を空振りした。すると、クロールが次に同じ所に投げたので、村上は「待ってました」とばかりに一撃。彼はホームランを確信したので直ぐには走らず、バット高々と掲げて見せてから走った。館山は「格好良い」と叫んだ。
私はジャイアンツの力不足と言うよりも「現時点ではこれほどの勢いの違いが出ているだけ」だと見ている。同時に、今朝ほど感染したと発表された4番打者の岡本和真が2割4分台の打率でホームランも21本に止まり、村上の32本に遙かに引き離されてしまった辺りにも、ティームとして勢いの差が明確に出てしまったのだと思っている。
岡本はそれでも昨日は2本のヒットを打ち、館山が「復調の兆しが見えた」と言ってくれたばかりの感染である。オールスターを休んで治すべきではないか。しかしながら、スワローズに14ゲームも離された5位に落ち込んでは、残る50数試合で追い付く算段が原監督にあるのだろうか。二軍に置いていた外国人投手をあの場面で使うことを提案した(のだろう)コーチ陣の責任は重いのではないか。
しかも、38名の感染者等を出してしまって、どうする気なのだろうか。これはNPB全体の問題ではないのか。昨夜の国立競技場でも開業以来の6万数千人の観客が入ったと報じられていたが、それで喜んでいても良い問題なのだろうか。私には良く解らない。岸田さんの決意のほどを伺って見たい気がする。