新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

7月8日 その2 安部元総理が銃撃された

2022-07-08 16:13:48 | コラム
我が国でこういう事が起きるとは信じられなかった:

本日の12時半頃にジムから帰宅して、テレビを点けると何となく様子が変だと思えば「安部元総理が銃撃されて心肺停止」との画面が出てきた。何がどうなっているのか不明だったが、こんな事が我が国で起きるとはと悲憤憤慨したし、驚いたし、呆れたし、哀しかったし、情けなかった。現時点では、ただただ安部元総理が一命を取り留められるよう願うだけだ。

報道を聞いていて、おかしな事もあるものだと感じた。それは、安部元総理の応援演説は昨晩決まったばかりで、それも当初は長野県に行かれるはずだったものを急遽変更して、奈良県の近鉄の西大寺駅前にされたのだそうだ。そして、11時10分からは他の弁士が2名語り、安部元総理は11時29分から演台に立たれたと報じられている。

事件の目撃者が語った所では、容疑者は総理が立っておられた背中側になる車道を歩いてきたので、「何をする気か」と思って見ていれば、総理の後ろの場所に到着した時にクルリと90度回って、背中から2発撃って命中し、倒れられたのだそうだ。別のスマートフォンで撮った画面では、女性がAEDを持って走り寄っていた。

私が何とも奇異に感じたことは、この奈良県在住の元海上自衛隊員だという容疑者が、如何なる手段で安部元総理があの場所であの時刻から演説をされると承知していたのと思うことと、容疑者は以前から機会があれば安部元総理を狙おうと改造銃(または拳銃)を用意していたのかという点なのだ。もしも、地元のニュースで「安部氏来たる」と知ったとしても、あれほど早く銃を準備できて現場に到着できたのは何故かと問いたい。

しかも、彼は的確に安倍氏が立たれる時刻と場所を知って車道を誰にも止められずに徒歩でやって来ているのだ。しかも、どうやら、2発とも命中させたようだ。海上自衛隊でも、そこまでの銃撃の訓練をするのかと思った。でも、訓練されたから当てたのだろうと思ってしまう。

SPが警護に任に当たって、警備している要人を、身を挺してスナイパーから守るというのは、アメリカの映画での絵空事だと思っていた。そのような事件が我が国で現実に起きて、SPたちが直ちに容疑者に推し重なって抑えていた画面を見て、善くぞ訓練通りに出来たものだと感心していた。

山形県から自衛隊のヘリコプターで官邸に戻られた岸田総理が記者会見をされて(「涙目で」とした局もあったが)質問を受けられた。だが、答えの内容は矢張り具体性がなく、テレビ報道の域を出ていなかった。私は、ここから先は我が国における最大級と言うか最高級の要人の警護が不十分だったとの責任を、誰が負うのかに関心も興味もある。岸田総理にはもっと具体性がある事を語って欲しかったと言いたいのだ。

何れにせよ、今後我が国ではGDPの2%に当たる国防費の増額は必要だと思うが、今回のような不測の事態が二度と生じないように、要人警備(「テロ」でも良いだろう)の予算の増額も必須だと思わずにはいられない。岸田文雄総理にはより国防とテロに対する警備の両面に具体的な態勢を整えるようにご準備を願いたいものだ。


テレビも新聞も説明不足ではないか

2022-07-08 08:21:54 | コラム
尼崎市のUSB紛失問題に思う事:

マスコミ報道では「尼崎市が業務をBIPROGYという聞いたことがないような会社に(随契で)委託し、その業務が再々委託先に出されていた」となっていた。リタイアしてから28年も経てばそういう関連の業界には名も知らぬ会社があり、市役所から委託されるのかと思ってみていた。

所が、話が進むに連れて、BIPROGY(日本ユニシス)と出てきたし、その業務が随意契約だったとも報道され「何をしているのか」と疑問に思った。公開入札であるべきではないのかということ。

更に、日本ユニシスがBIPROGYに社名変更をしていたのであれば、その辺りをもう少し適切に報道しておいて欲しかった。日本ユニシスだったならば、私は承知していた。元はと言えば三井物産系の日本ユニバックのことで、その分野では歴とした会社である。そこで、検索して見れば、去る4月に社名が変更されていて、同社の年間の売上高が3,000億円超であると解った。

私が「尼崎市役所は名も知らぬ会社の委託したのか」と思って検索したのだし、テレビも新聞も「BIPROGY社とは如何なる会社か」くらいの説明を付けておいた方が良くはないのかと指摘しておきたい。

他にも意外な発見もあった。日本ユニシスであれば東京ビッグサイトに行く都バスの路線に「日本ユニシス本社前」という停留所があるのだ。いや、あった事も判明した。COVIDの襲来以来以後は某商社のファミリーフェアーにビッグサイトに行かなくなったので、このバスの停留所が日本ユニシスの社名変更に伴って「春海橋」に変わっていたとは知らなかったのだ。新型コロナウイルスは意外な所で、我が方にも小さな影響を及ぼしていたのだと知ったのだった。

私が言いたいことは、IT関連というのだろうが、あのようなコンピュータ関連の業界に関心のない方はBIPROGY、即ち元日本ユニシスと聞かされても、どのような会社かは解らないだろう。その前に「また変な横文字の会社が出てきたか」くらいの印象しかないだろう。だが現実は、そのような会社が随契で請け負った上に再々下請けに委託して、その孫請け会社の社員が泥酔して危うくUSBを紛失する所だったのだ。「何をしているのか」ではなかったか。

ここで、話を少し本筋から離すが、カタカナ語排斥論者としては「これで良いのかな」と思う記事を産経新聞に発見したのでその一部を抜き取って引用し、読者諸賢が「これで良いのだ」と看過されるかどうかを伺って見たいのだ。

>引用開始
市の個人情報にアクセスするためのIDやパスワードを付与され、約20年以上にわたりプロジェクトリーダーのように遇されていながら、周囲の人間が正確な所属を知らないという不思議。それは責任の所在の不正確さという、ガバナンスの不備に直結する。男性が単なる酔っ払いから“ゴースト”風の装いを帯びるに連れ、問題の深さも明らかになってきた。
<引用終わる

この記事自体は極めて真っ当な内容の指摘である。では、「何を問題にしたいのか」と問われそうだが、私が「どうしてかな」と奇異の感にとらわれるのが「ガバナンス」(=governance)なのだ。「統治能力」を意味するらしい。だったら、何でそう漢字の熟語で表現しないのか。この単語は、何方だったが誤って「ガバナビリティー」(governability=被統治性)と言ったので、それは「ガバナンスの誤りだ」と指摘されたことに始まっている。

私に言わせれば、先ず「何故、漢字の熟語を使わないのか」であり、次には「20年以上もアメリカの大手企業に属していながら、副社長かそれよりも上の経営者たちが“governance”だの“governability“などいう言葉を使うのを聞いた記憶は皆無だった」なのだ。

私は文語乃至は専門用語としては存在するのだろうと思っているが、日常の業務の中で出会ったことがない。そういう種類の言葉がカタカナ語になって、当たり前のように報道の中で使われ、政治家が得々として使うのは不思議だと思う。漢字の言葉の軽視は止めた方が良いのではないのか。