新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

東京の電力事情と岸田文雄総理に申し上げたいこと

2022-08-03 08:41:26 | コラム
この猛暑ではどうなることか:

先月末から首都高を往復して南下してきた。そこで痛感したことは「都内の目抜きの場所にこれほど多くの高層建築である所謂オフィスビルと共同住宅(「マンション」とカタカナ語で誤り表示されているが)が林立していれば、夏場に消費されるだろう電力がどれほどのことになるだろうか」だった。しかも、南下の際には見えないお台場や晴海の方向には数限りない超高層の共同住宅があるのだ。そこには所謂「オール電化」の建物も多いだろう、我がアパートと同様に。

私にはこのような多くの高層建築を手がけているのは大手不動産企業であり、建築しているのも大手建築会社だろうと思う。このような建築を管理するのは国土交通省だろう。建築を許可(認可)する際には経済産業省との間には、既存の電力やガスの供給態勢に与えるだろう影響の度合い等の調整の場があるのだろうか。

素人目にはS不動産が新設し続けている多くの高層ビルなどには、全面とまでは言わないがガラスの外壁の場合が多い。あれでは室温の管理に多くの電力を消費するのではないかと、一般の人である私は見ている。

岸田内閣になってからのことで、節電を呼びかけるようになってきた。現在の電力供給逼迫は必ずしもこの内閣の所為ではないのだが、私には何らの供給態勢の強化の手を打たずに節電を呼びかけているのは、とても受け入れがたい失政であると思っている。しかも、当方が都内を離れていた僅かの間には、方々で40度に迫る酷暑が襲ってきている。岸田総理は9箇所の原発を動かすと言われたが、それは既に稼働中であるとの批判もあった。無策ではないのか。

また、豊田章男トヨタ自動車社長は「EVの推進も結構だが、政府が唱えておられるようにEVを増やせば、もう10基ほどの原発が必要になる」と指摘しておられた。政府はそこまで考えているのかと疑いたくもなる。ある新聞の投書欄には、EVを購入された方が居住するマンションの管理組合に充電設備の新設を願い出たところ、圧倒的多数の居住者に「費用がかかることと、1人のために設置できない」と拒否されて、泣く泣く遠方のスタンドまで出掛けているとの投書があった。

終わりの頃になって本音を言えば「岸田さん、もっと国内の現実にも目をお配りになったら如何ですか」なのだ。だが、そうこうしている間に、あの美国と中国の間で激しい論争の的になっていたNancy Pelosi下院議長が台湾に到着されてしまった。毎度のことだが、中国の相手を見下した感が濃厚な(これはイヤな言い方である「上から目線」を言い換えた表現)非難攻撃が始まった。これでは最早「台湾有事」を通り越して「美中有事」が迫ったかとすら思わせてくれる。

岸田文雄総理、敢えて申し上げますが「このような時期にそれでなくても価格高騰気味な灯油(kerosene)を大量に消費して、ニューヨークを往復なさっていて宜しいのですか」と、疑問に感じています。因みに、シアトルと東京をジェット機で飛んだ場合に消費する灯油は普通の4ドアのセダンの55年分に相当すると、嘗てノースウエスト航空(現在のデルタ航空)のパイロットに教えられました。東海岸のNYならば100年分にもなるかと思っています。