新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

花田記凱氏は言った

2022-08-06 09:01:35 | コラム
「まるで魔女狩りだ」と:

安倍晋三元総理が山上徹也の狂弾に倒れて以来、我が国の報道機関は世界統一家庭連合(家庭連合)と、そこに少しでも関係したと思しき与野党を問わずに国会議員の行為を大小漏らさず取り上げて、連日のように詳細に報じている。彼らは特に自民党の議員に対しては執拗に「何故会合に出席したのか」であるとか「祝電を打ったのは何故か」とか「選挙協力を受けたか」と追い回している。週刊誌も特集を組んでいる。花田記凱氏はその辺りを「魔女狩り」と表現したようだ。

弁解めいたことを言えば、私は統一教会の活動が活発だった頃は我が事業部が日本市場で漸く好調に市場占有率を伸ばしていたときであり、頻繁にアメリカ出張をしていたし、本部と工場から出張してくる者たちと、それこそ日本中を飛び回っていたので、我が国の中でどのような異変をこの教会が引き起こしていたかなどの状況には極めて疎かった。

だが、桜田淳子や山崎浩子や飯星景子のことなどは承知していた。また、霊感商法のこともそれこそテレビの番組か新聞で知りましたという程度の認識だった。更に、街頭で薄気味悪い正体不明な勧誘をする婦人たちに何度も出会って「何なんだ、この連中は」と感じさせられたこともあった。要するに、彼らの実態など全く知らなかったということだ。

即ち、世界基督教統一神霊協会(Holy Spirit Association for the Unification of World Christianity)が韓国人の文鮮明が起こしたものだという程度の知識しかなかったのだった。正直なところを言えば「彼らが何者であるかを知らなかったこと」を反省しているのだ。英語表記を載せた訳は“Christianity”=キリスト教が入っていたからだ。

その統一教会が「世界平和統一家庭連合」(Family Federation for World Peace and Unification)と名称を変更していたことも、山上徹也の件での報道で知った次第だ。彼山上徹也があの大事件を起こしたために、彼らの存在とその悪質とも言うべき金集めの活動を継続していたと知り得たのだった。マスコミも困ったもので、この事件が起きるや否や、それまでの統一教会についての沈黙を忘れて、一斉に過剰というか「魔女狩り」的な報道に走ったのだった。

私もお陰様で家庭連合は統一教会(Unification Churchと、ここでは教会になっているし、旧名称には基督教もChristianityも入っている)は「我が国における集金額が最大であり、その資金で韓国内の活動が出来ているのであり、植民地化との悪行をした日本から金集めをするのは当然だ」との原理で動いていたとも知り得たのだった。また、信者(会員?)も我が国の方が韓国よりも遙かに多いのだそうだ。

花田記凱氏が「魔女狩り」と呼んだのはマスコミのこの件に関する報道の姿勢を指していて、少しでも統一教会とその関連団体からの接触があるとか、選挙の応援を受けたとか、関連団体も含めて何らかの会合に参加したまたは祝電を打ったか等々を詳細に報道している姿勢を指しているようだ。花田氏は手厳しく「旧聞に属するような事柄」までも取り上げて批判するのは如何なものかと言っているかのようだった。

政治家たちの姿勢には「当選するためには彼らの援助か応援を受けたのは仕方がなかった」か「応援をしてくれたのが彼ら乃至は関連団体だったとは知らなかった」というような言い訳が示しているように「手段を選べなかった」事が見えている気がする。私はそういう国会議員たちの手法というか「選挙に当選するためには・・・」のような釈明を、今後選挙民がどのように判断するかに懸かっていると思うのだ。

昨夜の「報道1930」ではアメリカにおける統一教会か家庭連合の活動振りの凄まじさを伝えていた。特に任期末期のブッシュ大統領(父)を韓国に招いて講演を依頼し、その謝礼に100万ドルを提供したという話も聞かされた。「何だ。それは我が国から搾り取った資金ではないのか」と受け止めた。この番組では「彼らのバラマキ作戦が何を目的としていたか」は明らかにされなかった。

同様に、我が国では国会議員に数々の働きかけをした成果(見返り?)が、何か具体的に現れているのかは語られていなかったようだ。「カルト」だの何のと言って、彼らを非難攻撃するのは構わないとは思うが、信じてしまって財産を根こそぎ取られてしまった人が数多く出ていたことを、どのようにして防ぐのかまたは救済するか、またその罠に落ち込まないような工夫があって然るべきだと思うのだ。

山上徹也は言わば「パンドラの箱」を開けてしまったかの感がある。彼と彼らのために安倍晋三元総理を失ったことを十分に考えて、今後の対策の参考にすべきだろう。それでこそ安倍晋三元総理の生前の功績に幾らかでもお返しが出来るのではないか。それにしても理解できないことがある。それは、未だに警察庁からも奈良県警からも誰一人として責任を取った者が出ていない現実だ。