新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

岸田文雄内閣総理大臣奮起を期待する

2022-08-30 08:16:47 | コラム
内閣総理大臣・岸田文雄氏論(「無策無敵」からの脱却を):

私は岸田文雄氏があの30万円給付論で滑った頃、いや、それ以前から岸田氏の政治的な力量には多少の疑問を感じさせられていた。しかも、ある自由民主党関係筋からの伝聞でも兎角の低評価があるような感があった。それ以外にも、報道機関が「盟友だったはずの故安倍晋三元総理からの禅譲に期待しているのは・・・」と伝えていたのも「育ちの良さ(弱さ?)」を感じさせる不安材料だった。

あの15年の韓国との不可逆協定には「岸田さんもやっと力を発揮されたか」と感じさせられたし、人柄の良さには好感が持てた。しかしながら、そもそも我々一般人は、マスコミ報道からの限定された範囲でしか政治家を評価乃至は査定できないのだ。従って、何も岸田さんだけのことではなく、自民党の議員たちが「どの程度のものか」などは私には良く解っていない。

そこに降って湧いたかのような感を禁じ得なかった菅義偉首相の総裁選不出馬あり、岸田氏の意表を突いた「二階幹事長云々」の声明があって、総裁選挙に打って出ると珍しく意志を明確に表明された。私にも「この際、岸田文雄氏を見直すべきか」との思いが少しは生じてきた。だが、そこに同時期に聞こえてきたのが菅義偉首相の「岸田じゃ出来ないよ」の一言だった。

私は菅義偉首相が誕生し、色々と菅氏独得の政策を打ち出された際に「この方はロールシャッハテストで最も簡単な図形を見出す型の政治家では」と極めて失礼な見方を公開していた。だが、その後の短期間にCOVID対策で打ち出された100万人のワクチン接種であるとか、無謀だとも一部のマスコミが貶したことを押し切って成し遂げられるなど、現実に国民の為になる実績を挙げておられたと思う。

一方の岸田文雄総理は派手にノートなどをかざして「聞く力があるから、見ていて欲しい」とばかりに我々に訴えかけられた。素直に期待させて頂く以外の選択肢はないかのようだった。だが、昨夜のPrime Newsでは読売の橋本五郎氏などは「聞くだけで、それを実行に移さなかったのでは何にもならない」と、かなり手厳しいことを言っていた。残念なことは「その通りだな」と思わせられる点ではないだろうか。

簡単に言ってしまえば、「岸田総理は事海外向けのこととなるとやけに気合いを入れて臨まれる傾向を感じさせる。だが、我々国民が『岸田さん、良くやって下さいました』と両手を挙げた感謝したくなるようなことは未だ余りなし遂げて下さっていないのでは」という辺りが、私の率直な感想になってしまうのだ。TICADを推進されるのも結構だが、何億円だったかを拠出されるのだったならば、国内に公金を投じて頂きたい状態にある事案が多すぎる気がするので困る。

何も、ロールシャッハテストで簡単な図形を見出して下さいとまでは言わないが、「眼前に山積する難題の中で、国家・国民の為には何が最重要であるか」の優先順位を的確に付けて頂きたいのである。「国葬」には私には何ら異論は無いが、今になって泉健太が選んだ安住某に四の五と言われないような万全の備えをしてから閣議にかけた方が良かったような気がしてしまうのでは・・・なのだ。

岸田総理の政策には「何をやり遂げたいのか」、「何が我が国にとって現時点において最優先で処理すべき課題か」が明確に打ち出されているのだろうかと感じさせられてしまう事案があるのは残念なのである。円安に対する手は未だ打たれていないし、物価上昇対策も未だしだし、全数把握でのもたつきなどは新たな不安材料だ。そう見てくると「無策無敵」と言われてしまったのも・・・と感じさせないように、「気持ちを切り替えて、難局に当たって頂きたい」と願うだけだ。

妄言多謝。