野球の場合に打ちまくった翌日の試合では打撃不振に陥るのはジンクス:
一昨21日のことで、日大フェニックスが故篠竹幹夫監督の指揮の下にライスボウルを三連覇したときの一員だった二男に「甲子園の決勝戦では仙台育英高校は準決勝で聖光学院を19安打18得点と打ちまくっていたので、中1日置いたとしても見出しのようなジンクスに遭って打てなくなるのではないか」と、問いかけたところ「それをジンクスというのは違うのではないか」と言われた。
彼が言うには「それはフットボールでも同じ事だろう。攻め続けて大量得点をすることは、相手ティームが強いか弱いかに関係ないこと。特に強敵の場合には失敗することなく攻め続けるときには、異常とも言える失敗が許されない緊張感の下に攻撃を続けているし、得点してベンチに戻っても強力なディフェンス陣が相手を直ちにパントに追い込むので、休んでいる暇も無く直ぐに緊張感に曝されるオフェンスに出ていかねばならなくなり、勝利に終わっても意外なほど心身共に疲労感が残っているもの」なのだそうだ。
彼は更に「フットボールではオフェンスとディフェンスでは別の組織になっているが、野球では大谷翔平の例が示すように攻守両面を同じ選手たちがやっているので、多分フットボールよりも多くの疲労が蓄積されるのではないか」とも指摘した。要するに、彼はジンクスではなく、攻め続けなければならない緊張感による疲労の蓄積の問題ではないのかと言っていたのだ。
そう聞いてみれば、春の選抜の優勝校・大阪桐蔭高校と準優勝の近江高校を倒して決勝戦まで上がってきた下関国際高校は、強豪を破る極めて難しい試合を二つも続けてきた間に蓄積してしまった疲労に苦しんでいた模様だったと解った。事実、監督さんは「決勝戦での状態は目一杯だった」と回顧していたではないか。私が見るところでは、下関国際高校の選手たちが蓄積してきた疲労の量が、準決勝で打ちまくっていた仙台育英高校のそれよりも大きかったことが、勝敗を分けたのだろうとなる。
私が見た限りでは、あの背番号6を付けた仲井は準決勝ではあれほど見事に決まっていた落ちる球が、決勝戦でリリーフに立った場面では殆ど効果が無かったし、球速も上がってこなかった。仙台育英高校の監督が立てられたのだろう作戦も、解説者の説明に従えば見事に嵌まっていたようだし、私の試合前の閃きでは「下関国際高校に仙台育英高校の厚みを感じさせる攻撃力を凌げるのかな」までで、何れが勝者になるかは読み切れていなかった。