新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

「勝ち方を知っているかどうか」だけではない時代

2022-08-29 08:20:50 | コラム
何故スワローズは勝ったのか:

昨日は「勝ち方を知っているかどうかだ」と表現したが、優勝した経験がない指導者である三浦大輔監督は、日本シリーズまで制覇した経験がある高津臣吾監督に1点及ばす敗戦となった。

だが、私は敢えて「この両者の力量の差は1点だけのことではない」と指摘しておきたいのだ。それは、三浦監督が単に「勝ち方を知らない」というだけの問題ではなく、彼には「自分のティームを率いて優勝した経験がない点」を指して言っているのだ。即ち、彼は未だ「勝ち方を知らぬ指導者」の域にあるのだ。

この辺りは、一度は問題を起こして元の2部にまで落ちていた日本大学フェニックスを、任期の3年目に甲子園ボウル出場まで持っていった橋詰功前家督が語っておられたと仄聞した「勝った経験が無い指導者の下では・・・」のことを言っているのだ。一寸聞いただけでは「勝ち方を知らない」というのと同じ事のように聞こえるが、勝った経験がある指導者はどのようにしてティームが勝てるように指導するかを承知している点が違うのだと思っている。

私はスワローズの場合は昨年の経験で選手たちも「勝ち方を」を会得したことが大きいと思っている。それは揺るぎない勝ち方の自信を持っていれば、平常心でどのような難しい局面にも対応できるのだ。

これは、何も野球だけのことではないのだ。今や我が国は言うに及ばす、全世界の多くの国々が未だ嘗て経験したことがないような国の内外に困難な問題を数多く抱えている。これらに対処する際に指導者がふらついていたのでは何ともならない。指導者には「経験」が必要な時代なのだ。では、全世界の何処に経験豊富な指導者がいるだろうか。

敢えて言えば、我が国はその大変な時期に「如何にして難局に対応していくか」について、豊かな経験持ち主である安倍晋三元総理を失ったのは、悔やんでも悔やみきれないと思うのだ。