終わりの見えないイスラエル・レバノン紛争

イスラエルはレバノン市民への人道支援を行うのを目的に、30日から31日に
かけての深夜2時レバノンへの空爆を、48時間に限って停止すると宣言した
がこの直後にイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの拠点に複数の爆撃が
実施された。
31日の夜、イスラエルのオルメルト首相は、ヒズボラ側からのミサイル攻撃の
脅威が取り除かれるまで、戦闘は停止されることは無いし、捕虜となっている
イスラエル兵士が帰国することもないとの声明を表わしている。またオルメルト
首相は停戦は国際平和維持軍がレバノンが配備された後になる。しかしこれ
は1ヶ月以内に実現されることは無いだろうとの考えを示している。

国連安全保障理事会は平和維持活動としてレバノンに派遣されている、国連
レバノン暫定軍の任期を、1ヶ月延長する内容の決議を全快一致で採択してい
る。
一方レバノン南部のカナに対して行われた空爆の結果、60人以上が死亡した
が、その内の約半数が子供となっている。こうしたカナへの空爆に対しては国
際社会の非難が高まっており、また紛争停戦に向けて努力がさらに強化され
ている。
国連安保理が主導的な役割を果たす危機打開に向けたプロセスには、EUや欧
州議会も積極的に参加している。国連安保理の枠内でアメリカは即時停には
触れず、恒久的で持続可能な平和の実現を目指す材料の、独自の決議案採
択に向けた準備を進めている。観測筋によるとこの決議案の取りまとめにはオ
ルメルト首相がヒズボラに対する作戦を完了するために必要だとする10日から
15日よりも、より長い期間を要する可能性がある。

混迷する中東情勢に付いて、ロシアの政治学者は次のようにコメントしている。
イスラエルによる地上作戦は長期化するだろう。また爆撃により一般市民の間
に多数の犠牲者が出ている。実際のところヒズボラ問題を軍事的に解決する時
間を、イスラエルに与えようとする可能性は益々少なくなっている。アメリカは自
らを困難な状況に陥らせている。アメリカは余りにも率直に停戦を必要でない問
題を、全面的に解決しなければならないと主張するようになってきている。ロシ
アの政治学者は、このような見解を示している。

一方こうしたアメリカの立場には、一般的にアメリカに期待している国々のみなら
ず、ヨーロッパの同盟国からも激しい非難の声が挙がっている。例えばフランスは
レバノンでの即時停戦を求める国連決議案を提出し、国連主導による国際平和維
持活動に参加する用意があると表明している。

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8月1日放送　ロシアの声・ラジオジャーナル