北方4島で密漁を行っていた日本の漁船が、ロシアの国境警備隊によっ
て拿捕された事件は、ロシアと日本の関係を損なうことの無い形で解決
されなければならない。これはロシアのガルージン駐日本臨時大使が東
京で述べた。
この問題を巡ってロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
今回ロシアの外交当局は、再び公式な立場を表したと言える。事件はロシ
ア側も日本側も望んでいない悲しい出来事である。ロシア側はこの事件に
関する全ての問題が、露日関係に何ら問題を与えることの無いような形で、
解決されることが不可欠だとの立場をとっている。同時にロシアは人道面
で最大限の配慮を行うと表明している。銃撃で亡くなった船員の遺体は、可
能な限りの早さで日本に渡された。また日本外務省の山中政務官は、国
後島に拘留されている3人の漁船乗組員と面会している。
さらにガルージン駐日本臨時大使は、出来る限り人道上の側面を重視して、
問題の解決に当たりたいと強調した。
事件が起きたのは8月16日のことで、ロシアの領海内である貝殻島沖合い
でロシアの国境警備艇が、日本の漁船を発見し船内の検査を行うとした。
しかし漁船は逃走を試み、しかもその過程で水揚げされた収穫物や漁の道
具を海の中に投げ込んだ。
ロシア側は信号弾や無線で漁船を停めようとしたものの、これに応じる気配が
無かったため、最終的に警告射撃を実施した。そしてこれが船員の一人に命
中し、死に至らせると言う悲劇的な事件に繋がった。
露日間でこのような出来事を巡って死者が出たのは50年ぶりのこと。両国の
(?)となっている南クリルの海域では、何度と漁船の拿捕事件が発生している
が、しかし半世紀の間、人の命が犠牲になるという事態は避けられて来た。
ロシア沿岸警備隊サハリン国家警備局のデータによると、今年警備隊が密漁
船に対して警告射撃を行ったケースは5回で、その内3回はロシアの漁船、1回
はベリーズ船籍の船が対象だった。
今回ロシアに拿捕された第31吉進丸の船長は国境侵犯、及び密漁の疑いでロ
シアの検察当局によって起訴された。
船員達はすでに取り調べに応じて証言を行っており、現在は日露友好の家に拘
留されている。
この第31吉進丸はこれまで1988年と1994年の二度に渡り、同じような状況でロ
シアの警備隊に拿捕された経歴を持っている。一方で乗組員の死をもたらした警
告射撃自体も捜査の対象となっている。ロシアの軍事当局は現在のところ、逃走
を図った日本の漁船に対して警告射撃を行ったことは、ロシアの法律には違反し
ていないとの見方を示している。
今回の事件を巡っては日本側にもロシアと同じように、この困難な問題を現実知的
な形で解決に結び付けたいと言う動きが見られる。
近日中にも、かつて農林水産相を務めた武部自民党幹事長がモスクワを訪れ、ロ
シアの国境警備隊や外務省の代表部と会談を行う予定となっている。
※(?)はノイズで受信できず
8月23日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
て拿捕された事件は、ロシアと日本の関係を損なうことの無い形で解決
されなければならない。これはロシアのガルージン駐日本臨時大使が東
京で述べた。
この問題を巡ってロシアの声の評論委員は、次のようにコメントしている。
今回ロシアの外交当局は、再び公式な立場を表したと言える。事件はロシ
ア側も日本側も望んでいない悲しい出来事である。ロシア側はこの事件に
関する全ての問題が、露日関係に何ら問題を与えることの無いような形で、
解決されることが不可欠だとの立場をとっている。同時にロシアは人道面
で最大限の配慮を行うと表明している。銃撃で亡くなった船員の遺体は、可
能な限りの早さで日本に渡された。また日本外務省の山中政務官は、国
後島に拘留されている3人の漁船乗組員と面会している。
さらにガルージン駐日本臨時大使は、出来る限り人道上の側面を重視して、
問題の解決に当たりたいと強調した。
事件が起きたのは8月16日のことで、ロシアの領海内である貝殻島沖合い
でロシアの国境警備艇が、日本の漁船を発見し船内の検査を行うとした。
しかし漁船は逃走を試み、しかもその過程で水揚げされた収穫物や漁の道
具を海の中に投げ込んだ。
ロシア側は信号弾や無線で漁船を停めようとしたものの、これに応じる気配が
無かったため、最終的に警告射撃を実施した。そしてこれが船員の一人に命
中し、死に至らせると言う悲劇的な事件に繋がった。
露日間でこのような出来事を巡って死者が出たのは50年ぶりのこと。両国の
(?)となっている南クリルの海域では、何度と漁船の拿捕事件が発生している
が、しかし半世紀の間、人の命が犠牲になるという事態は避けられて来た。
ロシア沿岸警備隊サハリン国家警備局のデータによると、今年警備隊が密漁
船に対して警告射撃を行ったケースは5回で、その内3回はロシアの漁船、1回
はベリーズ船籍の船が対象だった。
今回ロシアに拿捕された第31吉進丸の船長は国境侵犯、及び密漁の疑いでロ
シアの検察当局によって起訴された。
船員達はすでに取り調べに応じて証言を行っており、現在は日露友好の家に拘
留されている。
この第31吉進丸はこれまで1988年と1994年の二度に渡り、同じような状況でロ
シアの警備隊に拿捕された経歴を持っている。一方で乗組員の死をもたらした警
告射撃自体も捜査の対象となっている。ロシアの軍事当局は現在のところ、逃走
を図った日本の漁船に対して警告射撃を行ったことは、ロシアの法律には違反し
ていないとの見方を示している。
今回の事件を巡っては日本側にもロシアと同じように、この困難な問題を現実知的
な形で解決に結び付けたいと言う動きが見られる。
近日中にも、かつて農林水産相を務めた武部自民党幹事長がモスクワを訪れ、ロ
シアの国境警備隊や外務省の代表部と会談を行う予定となっている。
※(?)はノイズで受信できず
北方領土問題―歴史と未来朝日新聞社このアイテムの詳細を見る |
8月23日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル