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チェロ奏者ムスティスラフ・ロストロポービッチ氏の死去によせて

2007-05-02 | ラジオ
世界的に有名なロシアのチェロ奏者で、指揮者のムスティスラフ・ロストロポー
ビッチ氏が4月27日、モスクワで亡くなった。
栄光の巨匠と呼ばれたロストロポービッチ氏は、60年に亘って精力的な芸術
を行い、南極大陸を含む世界の全ての大陸で数千にも及ぶコンサートを開い
た。
またロストロポービッチ氏は数多くの国際賞を受賞、世界30カ国から勲章を授
与されているほか、50を超えるアカデミーや大学の名誉会員、名誉教授の称
号を与えられており、授与された多くの賞の中には高松宮殿下記念世界文化
賞が含まれている。

ロストロポービッチ氏と日本の指揮者、小沢征爾氏との共演は、音楽ファンの
心に忘れ難い印象を残すものとなった。
さらにロストロポービッチ氏はフランス芸術アカデミーが選ぶ、40人の不朽の音
楽家リストにも含まれている。
モスクワ音楽院、サンクトペテルブルク音楽院そしてスペイン・バレンシア音楽
院で教鞭をとったロストロポービッチ氏は、これ以外にも公開レッスンを行った
り、国際コンクールや音楽祭を企画したり、或いは音楽学校や記念博物館、慈
善基金を創設した。
ロストロポービッチ氏が創設した2つの慈善基金は、若手音楽家を支援するもの、
そしてもうひとつは子供の教育機関を支援するものだ。

一方ロストロポービッチ氏は、政治界の動きにも敏感に反応した人物で、ベルリ
ンの壁が崩壊したときにも、また1991年8月のソ連のクーデタが-勃発したときに
もロストロポービッチ氏はコンサートを開いた。

ロストロポービッチ氏は世界最高峰の、オーケストラや音楽家と共演を果たし、ま
た60人を超える作曲家が、ロストロポービッチ氏に自らの作品を捧げている。
ロストロポービッチ氏がこれまでに共演してきた、優れた音楽家の中にはロストロ
ポービッチ氏の妻である、歌手のガリーナ・ビシネフスカヤさんが含まれている。
ロストロポービッチ氏との共演に付いて、ガリーナ・ビシネフスカヤさんは次のよう
に語っている。
「私はコンサートで自宅で彼の演奏を50年、聴き続けています。彼の奏でるチェロ
の音は銀色に輝いていて、その音はまるで私の声の延長線上にあるかのようなの
です」
ガリーナ・ビシネフスカヤさんは、この様に語っている。

ムスティスラフ・ロストロポービッチ氏は、ポジティヴで明るい性格の人だった。
人が好きでいつもオープンでフレンドリーで、ロシア人らしい心の広さを持った人物
だった。
あるインタビューでロストロポービッチ氏は、こんな風に語っている。
「地球上の全ての人々の、個性というものが変わってきています。こうした変化は、
急速な技術の進化によるものです。クラシック音楽においても、また生活全般にお
いても、人間は新しいニーズに応えなければならないのです」
ロストロポービッチ氏は、かつてのインタビューの中でこの様に語っている。

ムスティスラフ・ロストロポービッチ氏は真の世界市民だった。彼の死が世界にとっ
ての大きな損失であることは間違いないだろう。

チェロ名演集
ロストロポービッチ(ムスティスラフ), ベルリン・フィルハーモニー
管弦楽団, ボストン交響楽団, イスラエル・フィルハーモニー管弦
楽団, ビバルディ, 小澤征爾, カラヤン(ヘルベルト・フォン), タルテ
ィーニ, ボッケリーニ, チャイコフスキー
ユニバーサルクラシック

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4月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
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