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西側も学ぶモスクワの除雪システム

2007-05-07 | ラジオ
西ヨーロッパからモスクワを訪れる代表団の数が増えている。
彼らの興味の対象はモスクワがとっている除雪システムだ。モスクワではか
なりの量の雪が降ることかことがあるが、例えば一昼夜の内に1ヶ月の半分
の量の降雪量が降ったことがある。
主要な幹線道路は一昼夜の内に除雪作業を終えることが出来る。

モスクワの副市長は、首都の住居環境システムの最も優れている点は、中
央管理システムだとして、次のように述べている。
「多くの西側代表団はモスクワを訪れるが、その目的は私達の経験に学ぶた
めの研修です。冬の時期にこうした除雪を行うにはどうしたらいいか、私達の
使っているシステムに大きな関心を寄せているのです。
私達は集中的に特に土日などは、かなりの負担が掛かる状態で除雪作業を
行っているが、その様子に皆さんは驚かれます。
外国ではこうした臨戦態勢のシステムを常時取っている所は無く、宿直体制ら
しいです。こっちのほうが驚いてしまいますよ」
モスクワの副市長は、この様に述べている。

モスクワは世界のメガロポリスのひとつ。しかも北にある。面積は150平方キロ
メートルで、これだけの広さが冬は1m半ほどの積雪に見舞われる。
都市の公共事業は交通システムが、円滑に機能するよう考慮して組み立てら
れているので、どうしても除雪作業は真夜中に行わざるを得ない。
夜は道路が昼間のように混雑していないし、路上駐車はこうした作業の邪魔に
ならないからだ。
先ほどのモスクワ副市長は、続けて次のように述べている。
「前の晩に高い降雪量を記録しても翌朝、市民が通勤する時は、それを殆ど感
じずに街を歩けるのです。それほどこの方面の公共事業は集中した仕事を行う
でしょう。一昼夜に捨てる雪の量は、40万立方メートルでかなりの量です。
こんな大量の雪を除雪ができる都市は、世界広といえども、ここモスクワだけで
す。100%言い切れます。それもただ除雪して何処かに捨てている訳ではありま
せん。環境基準に照らして、きちんと処理を行っています」
このように述べている。

また副市長によるとダンプカーで運ばれた雪は、それを解かす特殊な設備を通し
て下水に落とされ、下水に流される。
ですから道路から運ばれた雪が汚いまま、川や貯水池に流れる込むという訳で
はない。
ちゃんと衛生的な処理が行われている。

ここで小さなコメントだが、去年の冬は確かに2日間に亘って毎日夜間に、半月
分の降雪量を記録したときがあった。その最中に、もの凄い雪の中、明日はどう
なるんだろうか歩けるんだろうかと皆思っていたが、家を出ると家の前の道路が
綺麗になっていて、雪を触らないで歩ける事が出来る訳ではないが、普通の靴
を履いて歩くことに何の支障も無い状態に除雪されていた。
これは非常に見事なことだと思う。
冬になるといつも除雪に携わっている人たちに、夜中その音を聞きながら感謝し
て寝る日が続く。

エルミタージュの緞帳―モスクワ特派員物語

日本放送出版協会

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