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朝鮮半島の核正常化問題に付いて、ニューヨークで行われた米朝協議

2008-11-14 | ラジオ
11月10日、ニューヨークではアメリカと北朝鮮の、両外交官による会談
が実施され、朝鮮半島の核正常化に付いて話し合いが行われた。
この会談にはアメリカ側からは朝鮮半島交渉を行う、6カ国協議のアメリ
カ代表を勤めているヒル国務次官補と、国務省朝鮮課課長が、また北
朝鮮側からは外務省アメリカ課の李根課長が出席した。
この話題に付いてロシアの声の評論委員は、次の様にコメントしている。

先ずこの経緯を振り返ってみると、アメリカと北朝鮮が朝鮮半島の核問
題正常化交渉プロセスで、大きな前進を成し遂げてから両国の外交官
による会談が持たれたのは、これが初めてとなる。
北朝鮮はアメリカに対し、核施設のリストを手渡しアメリカも長い間引き
伸ばした挙句、ようやく北朝鮮をテロ支援国のリストから削除した。
アメリカ側は今回の協議に付いて、内容の濃い真剣なものだったとのコ
メントに対し、北朝鮮側はより控えめな反応を見せている。
少なくとも今回の協議では、6カ国協議の開催の見通しに関しては何の
成果も挙がらなかった。

アメリカと日本は6カ国協議の開催が長引いたことを、中国のせいにしよ
うとしている。
日米の言い分では、中国がこの問題をある一点から動かそうとしないか
ら、協議の開催がなかなかなされないのだと言う訳だ。
同時に日米は北朝鮮がわざと寧辺の原子炉から、燃料棒を取り除く作業
を遅らせたかのような主張を行い、北朝鮮までを批難している。
これが事実かどうかはハッキリしてはいない。
誰も確証してはいない。ところがこれと違ってハッキリとしているのは、北朝
鮮の核の無力化が遅れた理由に、6カ国協議で決められた合意内容が遂
行されなかったことがあるということだ。
その合意とは寧辺の核施設の解体作業を行うことの見返りとして、北朝鮮
は100万トンの重油の燃料供給を受けると言うものだった。

こうした一方でロシア、韓国、中国はそれぞれの義務をすでに遂行していた。
ところが日本は日本人拉致事件が解決されないうちは、北朝鮮へのエネル
ギー支援は行わない。と、これを拒否したのだ。
日本のエネルギー支援の割り当ては重油20万トンとなっている。これは非
常に複雑な問題で早急に解決せねばならない。
と言うのも北朝鮮の抱える電力エネルギー不足は、非常に深刻だからだ。
朝鮮半島の核正常化問題は、依然として複雑な状態のままとなっている。
これを解決するためには協議プロセスの参加者全員の、堅い意思と忍耐が
必要となる。
こうしたことが発揮されなければ、事は一点から前進することは無く、再び袋
小路に陥ってしまう可能性がある。

わが教え子、金正日に告ぐ―脱北エリート教授が
暴く北朝鮮


金 賢植
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11月1日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル