11月18日ロシアのラブロフ外相は、リスボンでのポルトガルの外務
大臣との会談終了後の記者会見で、アメリカがヨーロッパに配備を
計画している、対ミサイル防衛システム施設に関し、アメリカが政治
的な保証を与えても、それはロシア政府を満足させるものではない
と述べた。
この発言に関連してロシアの声の評論委員は、次の様にコメントして
いる。
ラブロフ外相のこの発言は、記者の質問に答えるなかでなされたもの
だが、その質問とはアメリカがヨーロッパに配備しようとしているMD関
連施設は、ロシアに脅威をもたらさない、そう保障したとしたらロシア
政府はカリニングラードにイスカンデルミサイルを配備するのを止める
かどうかというものだった。
すでに何度も伝えているようにアメリカ政府は、ポーランドに10基の巡
航ミサイルを配備し、チェコにはレーダー基地を置こうと計画している。
ラブロフ外相は政治的な保障にロシアが満足し得ない理由として、ロ
シア側にとって必要なのは、ヨーロッパがアメリカのMDの第三の陣地
とはならないという物理的な保障だと説明している。
ここで指摘しておきたいのは、ロシアのアプローチが国際関係の当然
の論理に則ったもの、アメリカ及びそのNATOのパートナー国と共同行
動してきた中で、直接経験したことに立脚したものだという点だ。
これに関連してラブロフ外相が、西側諸国がこれまで何度もロシアに対
し保障を与えてきたが、それは仮説的なものにしか過ぎなかったと指摘
したことは全く持って理に叶っている。
かつて西側の国々はNATOが、ロシアと国境を接する国々まで拡大する
ことは無いと、口頭とは言え約束したし、NATOの新しい加盟国の領土内
に、かなりの数の兵器、兵器を置くことは無い、そうした国々に軍事基地
を置くことは無いと明言していた。
そもそもアメリカがヨーロッパにMD関連施設を置く権利を持ちうることを、
前提としてロシアに対してそうした施設はロシアにとって危険を及ぼすも
のではないという、自分たちの言葉を信じるよう求めると言った考え方は、
ある種歪んだ発想の様に思われる。
ロシア政府は何度もアメリカ政府に対して、潜在的なミサイル攻撃の脅威
に付いて、共同で研究しグローバルな規模での対ミサイル防衛システム
を作る為に、ロシアのレーダー基地を利用してはどうかと提案しているのだ
から、なおさらアメリカ政府の立場は奇妙だ。
共同で研究しロシアのレーダーを利用してはどうかという提案は、全てアメ
リカのブッシュ政権によって拒否されてしまった。
まさにそれ故にメドヴェージェフ大統領は対抗措置として、カリニングラードに
イスカンデルミサイルを配備することも在り得ると発言するに至っている。
しかしワシントンでの主要20カ国首脳会議で、メドヴェージェフ大統領が強調
した様に、もしアメリカがロシアの懸念を考慮し、自分たちの一方的なプラン
を放棄するならば、イスカンデルミサイルを配備する必要は無くなる。
アメリカのオバマ次期大統領が、露米関係を新鮮な視点を持って偏見無くイ
デオロギー的な目隠しを取って見る事が出来るかどうか、そこに全ての期待
が掛かっていると言っていいだろう。
11月20日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
大臣との会談終了後の記者会見で、アメリカがヨーロッパに配備を
計画している、対ミサイル防衛システム施設に関し、アメリカが政治
的な保証を与えても、それはロシア政府を満足させるものではない
と述べた。
この発言に関連してロシアの声の評論委員は、次の様にコメントして
いる。
ラブロフ外相のこの発言は、記者の質問に答えるなかでなされたもの
だが、その質問とはアメリカがヨーロッパに配備しようとしているMD関
連施設は、ロシアに脅威をもたらさない、そう保障したとしたらロシア
政府はカリニングラードにイスカンデルミサイルを配備するのを止める
かどうかというものだった。
すでに何度も伝えているようにアメリカ政府は、ポーランドに10基の巡
航ミサイルを配備し、チェコにはレーダー基地を置こうと計画している。
ラブロフ外相は政治的な保障にロシアが満足し得ない理由として、ロ
シア側にとって必要なのは、ヨーロッパがアメリカのMDの第三の陣地
とはならないという物理的な保障だと説明している。
ここで指摘しておきたいのは、ロシアのアプローチが国際関係の当然
の論理に則ったもの、アメリカ及びそのNATOのパートナー国と共同行
動してきた中で、直接経験したことに立脚したものだという点だ。
これに関連してラブロフ外相が、西側諸国がこれまで何度もロシアに対
し保障を与えてきたが、それは仮説的なものにしか過ぎなかったと指摘
したことは全く持って理に叶っている。
かつて西側の国々はNATOが、ロシアと国境を接する国々まで拡大する
ことは無いと、口頭とは言え約束したし、NATOの新しい加盟国の領土内
に、かなりの数の兵器、兵器を置くことは無い、そうした国々に軍事基地
を置くことは無いと明言していた。
そもそもアメリカがヨーロッパにMD関連施設を置く権利を持ちうることを、
前提としてロシアに対してそうした施設はロシアにとって危険を及ぼすも
のではないという、自分たちの言葉を信じるよう求めると言った考え方は、
ある種歪んだ発想の様に思われる。
ロシア政府は何度もアメリカ政府に対して、潜在的なミサイル攻撃の脅威
に付いて、共同で研究しグローバルな規模での対ミサイル防衛システム
を作る為に、ロシアのレーダー基地を利用してはどうかと提案しているのだ
から、なおさらアメリカ政府の立場は奇妙だ。
共同で研究しロシアのレーダーを利用してはどうかという提案は、全てアメ
リカのブッシュ政権によって拒否されてしまった。
まさにそれ故にメドヴェージェフ大統領は対抗措置として、カリニングラードに
イスカンデルミサイルを配備することも在り得ると発言するに至っている。
しかしワシントンでの主要20カ国首脳会議で、メドヴェージェフ大統領が強調
した様に、もしアメリカがロシアの懸念を考慮し、自分たちの一方的なプラン
を放棄するならば、イスカンデルミサイルを配備する必要は無くなる。
アメリカのオバマ次期大統領が、露米関係を新鮮な視点を持って偏見無くイ
デオロギー的な目隠しを取って見る事が出来るかどうか、そこに全ての期待
が掛かっていると言っていいだろう。
11月20日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル