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ロシアの政治システム改革によって踏み出された重要な一歩

2008-11-17 | ラジオ
11月11日、メドヴェージェフ大統領は国の政治システム改革に関する
ひとまとまりになった法案、つまり連邦議会に宛てて11月5日、大統
領本人が行った、年次教書演説のなかで示された、提案の具体化に
向けた法案をロシア議会下院国家会議に提出した。
メドヴェージェフ大統領が年次教書演説のなかで述べたように、提案
は実際重要ではあるものの、現在存在している制度、規定の政治的
な、そして法律的な本質には抵触しないもので、それをより明確なもの
にするための修正と言える。

ロシアを代表する政治学者の一人ヤチェフラフ・ニコノフ氏はインタビュー
の中で、メドヴェージェフ大統領が提案した憲法の修正は、議会の権限
を強める目的で、行政府と立法府のバランスに新しい要素を加えるに違
いないと指摘し、次の様にコメントしている。
「提案された修正の中で最も本質的なものの一つは、議会による管理監
督の実施に向けた下院国家会議の権利であり、これはそもそも立法権力
機関の職権の強化、そしてロシアの議会制度の基礎の発展に向けた重
要な一歩と言える。
さらにメドヴェージェフ大統領は、政府が下院において毎年報告をすること。
それを提案しているが、これもまた立法権力機関の強化に向けた措置だ」
ニコノフ氏はこの様に指摘している。

大統領および下院国家会議の任期に付いても、本質的な修正が提案され、
これまで半年の時間的な差はあるものの、同じく任期は4年だったが大統
領の任期は6年、議会は5年と言う案が(?)した。
ニコノフ氏はこれは単に選挙の時期を開けるばかりではなく、国の方針の
大きな正当性を維持することを、その目的としたものだと指摘し次の様に
続けている。
「実際のところ4年と言う任期は、かなり短いもので、おまけに実際に仕事
するまでに、かなりの時間が掛かってしまい、そうこうするうちに次の選挙
となってしまう。
ですから任期が5年、6年となれば継承性というものは、より大きなものにな
るだろう。
それ以外にロシアは大きな国なので、4年間では国土を物理的にしてみて
も見て回ることは出来ない。
任期が長くなれば立法権力機関が、次の選挙キャンペーンに向けて注意を
払うことも、もっと小さなものに出来るし、大きな安定がもたらされると思われ
る」
ニコノフ氏はこの様に述べている。

専門家の中には大統領や議会の任期が長くなることが、与党のエリート達が
缶詰の如く温存されるのではないか、と心配する向きもあるが、これに付いて
また別の政治学者は次の様に見解を述べている。
「もしメドヴェージェフ大統領の年次教書に注意深く目を通すならば、大統領
が今、存在するエリートを温存させよう等とは少しも考えていないことが判る
はずだ。
逆に大統領は国の刷新と近代化を目指している。
それは民主制度の役割を向上させること無しには、不可能だしロシア議会は、
この国の民主制度のなかでも最も重要なのだ」
政治学者はこの様に述べている。

(?)は聴き取れず
大統領任期を延ばす案は次期大統領に現プーチン首相を再び大統領に選
 出した際の布石ではないかとも言われている。

11月13日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル