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シリア反対派のメッカとなるモスクワ

2011-10-12 | ラジオ
10日、シリアの反対派勢力がモスクワ訪問を開始する。今回の代表団のメンバーには様々な政党の代表者らのほか、キリスト教の聖職者らも参加しており、反対派のなかでも穏健派と見られている。
穏健派らのメンバーらは改革を通じて危機を解決するため、シリア政府とも交渉を行っており、その意味で海外からの武器によって武力闘争を目指すグループとは違っている。武力闘争を目指すグループは過激派勢力と一緒になり、さまざまな挑発行為やテロ行為に及んでいる。

5日にはホムスにあるストロイトランスガスの支店が襲撃された。
ロシアのマルゲロフ・アフリカ担当大統領特別代表は、国連安全保障理事会においてロシアが西側諸国による、対シリア制裁決議案に拒否権を発動したことに付いて、シリアの過激な反対派勢力が不満を表明したと見ている。
ロシアが対シリア制裁決議案を否決した後、シリアの状況がどうなっていくかということが、今回の訪問中のメインテーマとなると見られている。

代表団の団長を務める、国民解放戦線のジャミル氏はロシアの声とのインタビューのなかで次のように語っている。
「我々のモスクワの訪問に先立って、国連安全保障理事会での対シリア決議案がロシアの拒否権によって否決された。
我々は他の国の反対派勢力とは違い、ロシアに感謝の気持ちを述べるために訪問に踏み切ったのだ。今回の拒否権発動によって多くの民間人の命が救われ、外国からの侵略が阻止された。
イラクやリビアにおける侵攻は民間人に多大な悲しみをもたらし、問題を深刻化させ、発展レベルを数世代前に後戻りさせるものだった。
我々はシリア問題の調停に付いて、ロシアが自らの立場を強化し、このような方向性への前進がなされることを望んでいる。
このような方向性はシリア国民の真の利益に叶うものだ。もしロシアがシリアへの侵攻を防いでくれるならば、シリアはより早く、またより容易に改善への道を歩むことが出来るだろう」
ジャミル氏は、このようにコメントしている。

シリアの反対派勢力がモスクワを訪問するのは今回が初めてではない。すでに6月と9月にそれぞれ訪問を行っている。しかも訪れる人物の顔ぶれはかなり様々だ。
ロシア科学アカデミー・アフリカ研究所の副所長は、ロシアの声とのインタビューで次のように話している。
「もし人々がシリア政府と共に自らの私利私欲ではなく、シリア国民の生活を第一に考えるならば、他の解決法は存在しないだろう」
副所長は、このようにコメントしている。

さらにモスクワには近いうちに、シリア国民評議会からなる代表団も訪れる予定となっている。
その代表団にはイスラム主義者やリベラル主義者、クルド人やアッシリア人、部族の代表者、キリスト教徒、無所属議員などが含まれている。
重要となっているのはシリア政府に対しての制裁を加える際、武力介入という可能性を如何に排除できるか、ていうことになるだろう。(普通「ていう」とは表現しないだろう)

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10月10日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル