強行手段でイランを威嚇するアメリカ(2)

陰謀は暴かれ容疑者とされているイラン人の一人は拘束され、またもう一人のほうは現在、逃亡中だ。
裁判はまだ開かれてはいないが、オバマ大統領はイランに罪がある事を国際社会に納得させるためには、一人の容疑者で十分なようだ。
モスクワ国際関係大学の、今度はドルジロフスキイ教授に意見を聞いてみた。
「この出来事には事実よりも、多くの疑問が溢れている。論理的に見れば先ず完全にばかげている。アメリカがイランに対し行っている、これは一種の大きなゲームであるといえるだろう。
合衆国の大統領であっても臆測で物事を決めてはならない。決めるのはあくまで裁判所だ。
もし人間が犯罪を犯したならば裁判にかけるべきだ。今のところあるのは政治的な事ばかりで、それ以上ではないのだ」
教授の意見を紹介した。

国連安全保障理事会のメンバー国を自分の側につけるために、アメリカは各国の国連大使と個別に積極的に協議を重ねている。
またモスクワと北京にはイランがテロ活動をしている事を、ロシアそして中国の両政府に納得させるための文書を携えた専門家グループが派遣された。
この件に関するロシア政府の立場は一貫している。変わりの無いものだ。
どのような決定を下すとしても、しっかりとした証拠が必要だというものだ。
しかし今のところ存在するのは疑惑だけであり、これで何らかの、いわゆる罪に付いて語るのは、まだ時期尚早というものだろう。

10月14日放送　ロシアの声・ラジオジャーナル