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作家・北杜夫さんを偲んで

2011-11-09 | 雑感
ボクの好きな作家の一人である北杜夫さんが亡くなった事を、10月26日の朝「NHKニュース おはよう日本」で知った。
驚きと同時に、もう北さんの新作を読めないかと思えば寂しさを憶える。

北さんの本を一番最初に読んだのは友達から貰った「どくとるマンボウ航海記」だった。
どくとるマンボウ航海記 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社

いま手元に本が無いので調べられないが、画数の多い漢字が使われていたので、だいぶ以前に出版された古くて少々黴臭い文庫本だったが、手にとって何気なく読んでいくと、これが面白くて面白くて止まらなかった。
もちろんボクにとっては今まで聞いた事も無い作家だったので、その当時は有名な作家であることも知らず、北さんの文庫本を買い求めた。

北さんの作品には「どくとるマンボウ」シリーズみたいにユーモアある笑いを誘うものから、『夜と霧の隅で』のように第二次世界大戦中のドイツにある精神病院が舞台となった作品など実に多彩である。

夜と霧の隅で (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社

何冊か読むと結構TV出演されていたみたいだが、残念ながらボクが拝見できたのはたった2回で、それも『徹子の部屋』のみだった。
2回目のときは一人娘の斎藤由香さんが御一緒の放映で、それがボクにとっては最後になってしまった。

本を読むということは時には目が悪くなってしまうこと以外、とても意義のあることだとは思う。
でも読書を押し付けても、本を読んで楽しいと思えるだろうか。ボクは漫画ばかり見ていたので、小さい頃そして学生時代と「本を読め」と言われ続けてきた。
そうしたボクみたいな読書嫌いの人間が、北杜夫作品と出会って読書好きになった。
かなり視力は落ちてしまったが、北杜夫作品と出会えたことは有意義だと思う。

改めて北杜夫さんの御冥福をお祈りします。