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中国元、人民元の時代はやってくるか

2011-11-10 | ラジオ
アフリカではドルにとって先行き暗い時代がやってきそうだ。中国の元が(たぶんロシア語で「元」と言ったのかも知れないが余計な言葉)が、アメリカドルを押し出し始めている。

ケニヤ政府は自国通貨のレート安定化のため、外貨準備高の一部を元に切り替える考えである事を明らかにした。
そうした意向を持っているのは何もケニヤばかりではない。9月のはじめナイジェリアがアフリカ諸国では初めて、自国の手持ちのドルの1割を元に替えると発表した。
ナイジェリア中央銀行総裁は、アメリカの投資ランキングの低下と大幅な予算赤字を考慮して、外貨準備の多様化を余儀なくされたと述べている。
ナイジェリアの外貨準備高は、アフリカ諸国としてはかなり多く330億ドルに上っている。
ナイジェリア中央銀行総裁はまた、我々は中国に元決済で石油を売却する可能性を検討中であると伝えた。

新興国のなかでも最大の銀行の一つに数えられる、南アフリカのスタンダード銀行の予測は、判断基準と成り得るものとして参考にされることが多いが、スタンダード銀行の専門家達はナイジェリア、ケニヤ、南アフリカに続きガーナやアンゴラも貿易の決済で元を採用するだろう。2015年までには中国・アフリカ貿易高のほぼ40%が元決済になると見ている。

アジアでもすでにいくつかの国々が自国の外貨準備の中で、ドルの割合を減らし元で補い始めた。
例えはタイ中央銀行は70億元を手に入れ、フィリピンも元を買う用意のある事を明らかにした。
このほど終わった第8回中国・ASEAN見本市から判断するに、両者間の相互決済が元に移行する可能性も、遠い将来の事ではないように思われる。
ASEAN内でそうした雰囲気が広がったのは、アメリカ経済の先行き不安そしてヨーロッパで長引く不況から、新たな金融危機が起こるリスクが高まっている事による。
ましてASEAN諸国には、元決済に換えた好ましい例が存在している。この3年間、ドルや円、そしてユーロが激しく変動しているなか、インドネシア、マレーシア、シンガポール。韓国さらにアルゼンチン、ベラルーシ、スペインといった国々は、中国との間で決済でドルを使わずに、それぞれの国の通貨をお互いに交換する合意を結んでいる。

今年の夏、アメリカでいわゆるデフォルトの危機が高まった時に、中国は外国企業に対し中国への直接投資のため、国外で受け取られた元の売上金を使う事を許可した。
このように傾向がはっきりしているにもか関わらず、専門家達は元の完全自由化までには、まだ道程は大変遠いと見ている。
ロシア金融市場研究所のコスチコフ研究員に。マイクを向け聞いてみた。
「人民元は完全な兌換通貨ではない。レートは明白に調整され、中国当局がそれを行っている。そうしたメカニズムが存在している間は人民元が準備通過になるとは恐らく言えない。
一方、中国も通貨メカニズムを最終的に自由化することはない。そんな事をしたら、輸出するのは高くつき輸入は安くなるので、中国経済は激しく落ち込んでしまうからだ。
今後10年間、中国の人民元が準備通貨の地位を占める可能性はないと思う。しかし10年後は、どうなるか分からない」
コスチコフ研究員は、このように述べている。

ドルが世界通貨となったのは、アメリカが世界最大の経済大国の地位をイギリスから奪って、10年後のことだったと言われている。
こうした歴史が今回も繰り返されるのだろうか。経済の専門家達は8年から10年後には、中国がアメリカを抜き、世界最大の経済大国になると予想している。

ギリシャ危機の真実 ルポ「破綻」国家を行く (Mainichi Business Books)
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毎日新聞社

10月25日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル