読書。
『黒猫・アッシャー家の崩壊』 エドガー・アラン・ポー 巽孝之 訳
を読んだ。
学生時代に『黒猫・黄金虫』という編集の、
字の小さなポーの新潮文庫を読んだことがあるのですが、
本書は新編集のポーの短編集で、
『黒猫』『赤き死の仮面』『ライジーア』
『落とし穴と振り子』『ウィリアム・ウィルソン』『アッシャー家の崩壊』
の六篇がおさめられています。
どれも面白かったです。
前に読んでいたものもあるのに、
まったく忘れてしまっていて、まっさらな気持ちで読めました。
19世紀の作品の翻訳なので、読みづらさもちょっとあるのですが、
内容の厚みでぐいぐいと読む気持ちをひっぱっていってくれます。
ジャンルはゴシック小説、つまり怪奇小説とありますが、
ホラーというよりは、現代でいえばその怪奇な様式による面白みに
特徴のある小説だと言えるでしょう。
グロテスクだったり、血みどろだったりという見せかたよりか、
世界観で見せてくれているというような。
そして、退廃的ですね。
わかりやすく面白かった『落とし穴と振り子』は、
これに影響を受けて作られた映画が
たとえば「CUBE」だったりしないかなと思いました。
通じる発想を感じたのです。
そして現代になんの遜色もなく力を発揮するポーのすごい想像力。
でも、彼は麻薬とかで幻覚を見ていたらしいところがあるので、
そういうところからの発想なのかもしれないです。
また、オースターの『ガラスの街』の主人公のペンネームが
“ウィリアム・ウィルソン”なんだけれど、
この短編集に『ウィリアム・ウィルソン』ってのがありました。
オースターのポーへのオマージュなんでしょうね。
訳者による解説を読むと、
現代作家でも如実にポーの影響を受けた人がたくさんいるようで、
名前があがっていました。
読んだことはないですが、『ロリータ』で有名なナボコフも
その中の一人とカウントされていましたし、
WEB検索して面白そうな話を書いているのを知った作家もいたので、
今度アマゾンで買ってみようかとメモしておきました。
文章それ自体にも内容にも力がある作家です。
近代の人でもいまなお世界的に読まれているのは、
その力が輝きを失わないからなのでしょうね。
『黒猫・アッシャー家の崩壊』 エドガー・アラン・ポー 巽孝之 訳
を読んだ。
学生時代に『黒猫・黄金虫』という編集の、
字の小さなポーの新潮文庫を読んだことがあるのですが、
本書は新編集のポーの短編集で、
『黒猫』『赤き死の仮面』『ライジーア』
『落とし穴と振り子』『ウィリアム・ウィルソン』『アッシャー家の崩壊』
の六篇がおさめられています。
どれも面白かったです。
前に読んでいたものもあるのに、
まったく忘れてしまっていて、まっさらな気持ちで読めました。
19世紀の作品の翻訳なので、読みづらさもちょっとあるのですが、
内容の厚みでぐいぐいと読む気持ちをひっぱっていってくれます。
ジャンルはゴシック小説、つまり怪奇小説とありますが、
ホラーというよりは、現代でいえばその怪奇な様式による面白みに
特徴のある小説だと言えるでしょう。
グロテスクだったり、血みどろだったりという見せかたよりか、
世界観で見せてくれているというような。
そして、退廃的ですね。
わかりやすく面白かった『落とし穴と振り子』は、
これに影響を受けて作られた映画が
たとえば「CUBE」だったりしないかなと思いました。
通じる発想を感じたのです。
そして現代になんの遜色もなく力を発揮するポーのすごい想像力。
でも、彼は麻薬とかで幻覚を見ていたらしいところがあるので、
そういうところからの発想なのかもしれないです。
また、オースターの『ガラスの街』の主人公のペンネームが
“ウィリアム・ウィルソン”なんだけれど、
この短編集に『ウィリアム・ウィルソン』ってのがありました。
オースターのポーへのオマージュなんでしょうね。
訳者による解説を読むと、
現代作家でも如実にポーの影響を受けた人がたくさんいるようで、
名前があがっていました。
読んだことはないですが、『ロリータ』で有名なナボコフも
その中の一人とカウントされていましたし、
WEB検索して面白そうな話を書いているのを知った作家もいたので、
今度アマゾンで買ってみようかとメモしておきました。
文章それ自体にも内容にも力がある作家です。
近代の人でもいまなお世界的に読まれているのは、
その力が輝きを失わないからなのでしょうね。