昨年の11月に素敵で面白い出会いがありました。
シャンパーニュの 「Bruno Paillard」 (ブルーノ・パイヤール)の当主 ブルーノ・パイヤール氏 が 南仏プロヴァンスでつくったワイン を紹介してくれました。

日本に初めてリリースする 白、ロゼ、赤の3本のプロヴァンスワイン
「ブルーノ・パイヤール」 は1981年に創立した、100%独立した家族経営のシャンパーニュ生産者で、“最高の品質のシャンパーニュのみをつくる” という信条を持っています。
彼らのシャンパーニュは、小さくとも素晴らしい料理を出すレストランなどでも広く使われていることが自慢で、2010年は422軒ものミシュランの星付きレストランでオンリストされたとか!
自社畑は30ha、生産量はルイ・ヴィトングループの1%に過ぎませんが、ブルーノ・パイヤールは順調に販売数を伸ばしているシャンパーニュメゾンです(2010-2011 対前年比4%増)。

シャンパーニュのランスに生まれたブルーノ氏は、もちろんシャンパーニュの土地に愛情と情熱を持っていますが、寒い季節にははやはり暖かい場所で過ごしたいと、1994年の年末、バカンス用の別荘を探しにプロヴァンスを訪れました。
「その時に偶然、ブドウ畑付きの別荘と出会い、畑に一瞬で魅了されてしまった!
別荘自体はイマイチだったけどね(笑)」
その畑はサン・トロペから北西に50kmほど離れたSaint-Antonin du Var村にあり、標高260~280m、森に囲まれた、トリュフも採れる土地。土壌は主にチョークと粘土質、敷地面積100haの中に合わせて20haほどのブドウ畑が点在していました。
ブドウ品種は、サンソー、グルナッシュ、シラー、ムールヴェドル、カベルネ・ソーヴィニヨン、カリニャン、ユニ・ブランなどで、中には50年以上の樹齢のものもあり、この畑に一目惚れしたブルーノ氏は、年明け早々すぐに購入。
「Domaine des Sarrins」(ドメーヌ・デ・サラン)を立ち上げ、その年(1995年)の秋に初の仕込みを行いました(ロゼと赤、18,000本)。

Chateau des Sarrins Rose 2010
シャトー・デ・サランのロゼは、AOC Cotes de Provence のワインです。
プラチナの輝きを帯びた美しいバラ色をしています。
デリケートなタッチで、口当たりはサラリとし、やさしくエレガントな味わいが魅力です。
サンソーがメインで、グルナッシュと少量のシラーとムールヴェドルをブレンド。
気温の低い(10~12℃)明け方の4~8時頃に収穫し、直接プレスを長くゆっくりと行ない、温度管理されたステンレスタンクで発酵させています。
プロヴァンスといえばロゼワイン、それも辛口のロゼ。
ドメーヌ・デ・サランでも、生産量の70%がロゼワインです。

“Sarrins” (サラン)は“サラザン”の短縮形で、7~11世紀頃に地中海周辺に台頭していた“アラブ人”を表す言葉だそうです。
エチケットの“黄色”は南仏プロヴァンスの“太陽”を、“青色”は“ラベンダー”と“空”の色をイメージしているとのこと。
彼らの畑のある場所は、雨が少なく、日照が多く、風通しのよい土地で、特に風のおかげで病気が防げることから、ビオに取り組み始め(2007年に申請)、現在はすでにビオの認可が下りています。
サランのワインメーカーはアルザス出身のフランス人で、ビオに精通している醸造家。よって、ドメーヌは普段はそのワインメーカーに任せ、ブルーノ氏は月に2回プロヴァンスに出かけてチェックしていると言っていました。

Les Sarrins Blancs des Rolle 2008
ロール種100%でつくられた白ワインです。ロール100%だとAOC規定に合わないため、Cotes
de Provence ではなく、“Vin de Pays du Var” になります。1998年が初ヴィンテージ。現在の生産量は全体の20%。
「ロール種は素晴らしい果実味があるが、知られていない。シャルドネはシャンパーニュやブルゴーニュではいいが、暖かい地方には合わないと思うので、シャルドネではなくロール種を選んだ」と、ブルーノ氏。
※ロールはイタリアでは“ヴェルメンティーノ”
バトナージュを行い、ブルゴーニュ的につくり、新樽で10~11カ月熟成させています。
樽の選択に当たっては、樽の産地、メーカー、トーストの加減を幾通りも試したとのこと。
ピュアなフルーツ感があり、なめらかでボリュームがあり、華やかさもあります。
しっかりした飲みごたえで、ロゼよりもボディに厚みがあり、非常に高い品質です。
格はヴァン・ド・ペイですが、格付けだけで判断するともったいない結果になります。

Chateau des Sarrins Rouge 2005
赤はAOC Cotes de Provence で、グルナッシュ、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドです。樽で3年熟成させ(新樽は使いません)、瓶詰め後は2年置いてから出荷。よって、現行ヴィンテージは2005年になります。生産量は全体の10%。
(2004年はタンニンが強く、まだ丸みが出ないので、2005年を先にリリースしたとか)
プロヴァンスでも赤ワインが生産されていますが(プロヴァンス全体の11%)、サランのように長く熟成させる生産者は稀のようです。
ブルーノ氏が言うには、「我々の畑のテロワールが非常に良いので、長期熟成が可能なブドウが得られる。昼夜の気温差が激しく、1日で20℃の変化があり(8月の昼間36℃、夜15℃)、濃縮したアロマをつくり出せるブドウだから」。
なお、赤ワインの熟成には新樽を使いません。赤をつくり始めた当初は新樽を使っていましたが、ワイン自体にタンニン分があることから、現在は白ワインで使用した樽を赤ワインの熟成に使用しています。
赤ワインを飲んでみると、非常に上質な、ボルドー的なニュアンスを感じます。長い熟成期間のおかげでカドが取れ、ほどよい丸みのある旨味系ボディです。合わせるのは肉料理もいいですが、旨味たっぷりのチーズ(コンテなど)とのマリアージュが個人的にはオススメです

気になるワインはありましたか?
どんな料理、シチュエーションにも合わせられるプロヴァンス・ロゼはオールマイティですが、ロール100%というこだわりの白ワインや、長期熟成を念頭においてつくられた赤ワインも素晴らしく魅力的ですよね

「自分の名前がエチケットに載っている以上、最高の品質を常に求めている」 とブルーノ氏
ボルドー、ブルゴーニュをはじめ、他の生産地域の生産者が南仏などで新たにワインづくりをするケースは珍しいことではなくなってきていますが、エチケットに “Bruno Paillard” の名のあるプロヴァンスワインを見つけたら、ぜひ一度試してみてはいかが?新しい発見があるかも?
(輸入元:ミレジム)

シャンパーニュの 「Bruno Paillard」 (ブルーノ・パイヤール)の当主 ブルーノ・パイヤール氏 が 南仏プロヴァンスでつくったワイン を紹介してくれました。

日本に初めてリリースする 白、ロゼ、赤の3本のプロヴァンスワイン
「ブルーノ・パイヤール」 は1981年に創立した、100%独立した家族経営のシャンパーニュ生産者で、“最高の品質のシャンパーニュのみをつくる” という信条を持っています。
彼らのシャンパーニュは、小さくとも素晴らしい料理を出すレストランなどでも広く使われていることが自慢で、2010年は422軒ものミシュランの星付きレストランでオンリストされたとか!
自社畑は30ha、生産量はルイ・ヴィトングループの1%に過ぎませんが、ブルーノ・パイヤールは順調に販売数を伸ばしているシャンパーニュメゾンです(2010-2011 対前年比4%増)。

シャンパーニュのランスに生まれたブルーノ氏は、もちろんシャンパーニュの土地に愛情と情熱を持っていますが、寒い季節にははやはり暖かい場所で過ごしたいと、1994年の年末、バカンス用の別荘を探しにプロヴァンスを訪れました。
「その時に偶然、ブドウ畑付きの別荘と出会い、畑に一瞬で魅了されてしまった!
別荘自体はイマイチだったけどね(笑)」
その畑はサン・トロペから北西に50kmほど離れたSaint-Antonin du Var村にあり、標高260~280m、森に囲まれた、トリュフも採れる土地。土壌は主にチョークと粘土質、敷地面積100haの中に合わせて20haほどのブドウ畑が点在していました。
ブドウ品種は、サンソー、グルナッシュ、シラー、ムールヴェドル、カベルネ・ソーヴィニヨン、カリニャン、ユニ・ブランなどで、中には50年以上の樹齢のものもあり、この畑に一目惚れしたブルーノ氏は、年明け早々すぐに購入。
「Domaine des Sarrins」(ドメーヌ・デ・サラン)を立ち上げ、その年(1995年)の秋に初の仕込みを行いました(ロゼと赤、18,000本)。

Chateau des Sarrins Rose 2010
シャトー・デ・サランのロゼは、AOC Cotes de Provence のワインです。
プラチナの輝きを帯びた美しいバラ色をしています。
デリケートなタッチで、口当たりはサラリとし、やさしくエレガントな味わいが魅力です。
サンソーがメインで、グルナッシュと少量のシラーとムールヴェドルをブレンド。
気温の低い(10~12℃)明け方の4~8時頃に収穫し、直接プレスを長くゆっくりと行ない、温度管理されたステンレスタンクで発酵させています。
プロヴァンスといえばロゼワイン、それも辛口のロゼ。
ドメーヌ・デ・サランでも、生産量の70%がロゼワインです。

“Sarrins” (サラン)は“サラザン”の短縮形で、7~11世紀頃に地中海周辺に台頭していた“アラブ人”を表す言葉だそうです。
エチケットの“黄色”は南仏プロヴァンスの“太陽”を、“青色”は“ラベンダー”と“空”の色をイメージしているとのこと。
彼らの畑のある場所は、雨が少なく、日照が多く、風通しのよい土地で、特に風のおかげで病気が防げることから、ビオに取り組み始め(2007年に申請)、現在はすでにビオの認可が下りています。
サランのワインメーカーはアルザス出身のフランス人で、ビオに精通している醸造家。よって、ドメーヌは普段はそのワインメーカーに任せ、ブルーノ氏は月に2回プロヴァンスに出かけてチェックしていると言っていました。

Les Sarrins Blancs des Rolle 2008
ロール種100%でつくられた白ワインです。ロール100%だとAOC規定に合わないため、Cotes
de Provence ではなく、“Vin de Pays du Var” になります。1998年が初ヴィンテージ。現在の生産量は全体の20%。
「ロール種は素晴らしい果実味があるが、知られていない。シャルドネはシャンパーニュやブルゴーニュではいいが、暖かい地方には合わないと思うので、シャルドネではなくロール種を選んだ」と、ブルーノ氏。
※ロールはイタリアでは“ヴェルメンティーノ”
バトナージュを行い、ブルゴーニュ的につくり、新樽で10~11カ月熟成させています。
樽の選択に当たっては、樽の産地、メーカー、トーストの加減を幾通りも試したとのこと。
ピュアなフルーツ感があり、なめらかでボリュームがあり、華やかさもあります。
しっかりした飲みごたえで、ロゼよりもボディに厚みがあり、非常に高い品質です。
格はヴァン・ド・ペイですが、格付けだけで判断するともったいない結果になります。

Chateau des Sarrins Rouge 2005
赤はAOC Cotes de Provence で、グルナッシュ、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨンのブレンドです。樽で3年熟成させ(新樽は使いません)、瓶詰め後は2年置いてから出荷。よって、現行ヴィンテージは2005年になります。生産量は全体の10%。
(2004年はタンニンが強く、まだ丸みが出ないので、2005年を先にリリースしたとか)
プロヴァンスでも赤ワインが生産されていますが(プロヴァンス全体の11%)、サランのように長く熟成させる生産者は稀のようです。
ブルーノ氏が言うには、「我々の畑のテロワールが非常に良いので、長期熟成が可能なブドウが得られる。昼夜の気温差が激しく、1日で20℃の変化があり(8月の昼間36℃、夜15℃)、濃縮したアロマをつくり出せるブドウだから」。
なお、赤ワインの熟成には新樽を使いません。赤をつくり始めた当初は新樽を使っていましたが、ワイン自体にタンニン分があることから、現在は白ワインで使用した樽を赤ワインの熟成に使用しています。
赤ワインを飲んでみると、非常に上質な、ボルドー的なニュアンスを感じます。長い熟成期間のおかげでカドが取れ、ほどよい丸みのある旨味系ボディです。合わせるのは肉料理もいいですが、旨味たっぷりのチーズ(コンテなど)とのマリアージュが個人的にはオススメです


気になるワインはありましたか?
どんな料理、シチュエーションにも合わせられるプロヴァンス・ロゼはオールマイティですが、ロール100%というこだわりの白ワインや、長期熟成を念頭においてつくられた赤ワインも素晴らしく魅力的ですよね


「自分の名前がエチケットに載っている以上、最高の品質を常に求めている」 とブルーノ氏
ボルドー、ブルゴーニュをはじめ、他の生産地域の生産者が南仏などで新たにワインづくりをするケースは珍しいことではなくなってきていますが、エチケットに “Bruno Paillard” の名のあるプロヴァンスワインを見つけたら、ぜひ一度試してみてはいかが?新しい発見があるかも?

(輸入元:ミレジム)
