5月末、仏ボルドーの Association de Grands Crus Classes de Saint-Emillion (サン・テミリオン・グラン・クリュ・クラッセ) による試飲会が東京で開催されました。

サン・テミリオン はボルドー市の北東、リブルヌから約8kmに位置する地区で、ボルドーエリア赤ワイン生産量の6%を産出しています。
大きな生産地域ではありませんが、重要性と注目度においては非常に高い生産地区で、メルロ種を主体にした赤ワインがつくられています。
原産地呼称としては、大きく、AOC Saint-Emillion、AOC Saint-Emillion Grand Cru の2つがあり、後者はさらに Grand Cru Classe と Premier Grand Cru Classe で構成されます。
今回、試飲会が行われたのはGrand Cru Classe の方で、加盟49のシャトーのうち22シャトーの2008年と2009年ヴィンテージが紹介されました。
(プルミエの方は、Ch.シュヴァル・ブラン や Ch.オーゾンヌなどがあります)

いくつか紹介してみると…

Chateau DESTIEUX 2008 2009
メルロ66%、カベルネ・フラン17%、カベルネ・ソヴィニヨン17%、所有畑8ha。
2008年は凝縮した果実味と酸のバランスが非常によく、エレガントなスタイル。
2009年は非常に濃厚で、リッチでスムースで、ニューワールド的に感じました。
が、いずれもレベルが高く、ここのシャトーに根強いファンがいるのは納得ですね。
ブースにいた生産者に話を聞くと、
「2008年はフルーツの香りが豊かだが、強さがない。2009年は味が濃く詰まっている。今はまだ新しいので、あと2、3年後によくなってくると思う」との談。

Chateau FONPLEGADE 2008 2009
メルロ93%、カベルネ・フラン7%、所有畑18.5ha。
2008年は、きれいにまとまっているワインです。
2009年はタンニン量がとても多いのですが、収れん味がエレガント。果実味は豊かですが甘さは控えめ。ほのかなミネラリティを感じ、余韻も長く感じました。
フォンプレガードは右岸のオーガニック先駆者のひとつ。2007年に認証取得したと言っていました。

Chateau BELLEFONT-BELCIER 2008 2009
メルロ70%、カベルネ・フラン20%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%、所有畑13ha。
2008年はスムースでマルク、まろやかでやわらかいワインです。上品でバランスがよく、早い時期から楽しめるスタイルですね。
2009年は凝縮感があるのにエレガント。こちらもまろやかで、なめらか。とろりと濃厚ですが、甘ったるさは全くありません。
シャトーのスタイルとしては、ふっくらソフト、というのがベースにあるように思います。やり過ぎていない点が好感持てます。

2008年と2009年を比較試飲して感じたのは、
2008年
ほどよいボリューム感があり、酸がしっかりしていてバランスがいいので、食事に合わせやすく、早くから楽しめるスタイルが多い。
2009年
完熟してニューワールド的なニュアンスがあり、樽の使い方も強め。果実味もタンニンもパワフルなフルボディなので、まだまだ時間が必要。

ある生産者の話では
2008年は春と秋は素晴らしかったが、夏が寒かった。よって収穫が遅くなった。ワインはフルーティーなスタイルだが、タンニンがこなれるには少し時間がかかる。
2009年は天候に恵まれ、ブドウがよく熟した。太陽をたっぷり浴び、糖度も高く上がり、果皮も厚くなってタンニン分も多くなったが、バランスがよく、芳醇でコクのあるワインになった。
このように、2008年と2009年のスタイルは違いますが、シャトーによっても個性が違います(樽の風味をより強く出しているシャトー、2008年に少々もの足りなさ感じたシャトーなど)。
サン・テミリオン・グラン・クリュ・クラッセのワインは、ボルドーのメドックの格付けシャトーワインよりも手頃な価格で買えますので、飲んでおいしいと思ったシャトーを覚えておき、それをずっと追いかけていく と面白いのではないでしょうか。

サン・テミリオンは世界遺産に指定されています


サン・テミリオン はボルドー市の北東、リブルヌから約8kmに位置する地区で、ボルドーエリア赤ワイン生産量の6%を産出しています。
大きな生産地域ではありませんが、重要性と注目度においては非常に高い生産地区で、メルロ種を主体にした赤ワインがつくられています。
原産地呼称としては、大きく、AOC Saint-Emillion、AOC Saint-Emillion Grand Cru の2つがあり、後者はさらに Grand Cru Classe と Premier Grand Cru Classe で構成されます。
今回、試飲会が行われたのはGrand Cru Classe の方で、加盟49のシャトーのうち22シャトーの2008年と2009年ヴィンテージが紹介されました。
(プルミエの方は、Ch.シュヴァル・ブラン や Ch.オーゾンヌなどがあります)

いくつか紹介してみると…

Chateau DESTIEUX 2008 2009
メルロ66%、カベルネ・フラン17%、カベルネ・ソヴィニヨン17%、所有畑8ha。
2008年は凝縮した果実味と酸のバランスが非常によく、エレガントなスタイル。
2009年は非常に濃厚で、リッチでスムースで、ニューワールド的に感じました。
が、いずれもレベルが高く、ここのシャトーに根強いファンがいるのは納得ですね。
ブースにいた生産者に話を聞くと、
「2008年はフルーツの香りが豊かだが、強さがない。2009年は味が濃く詰まっている。今はまだ新しいので、あと2、3年後によくなってくると思う」との談。

Chateau FONPLEGADE 2008 2009
メルロ93%、カベルネ・フラン7%、所有畑18.5ha。
2008年は、きれいにまとまっているワインです。
2009年はタンニン量がとても多いのですが、収れん味がエレガント。果実味は豊かですが甘さは控えめ。ほのかなミネラリティを感じ、余韻も長く感じました。
フォンプレガードは右岸のオーガニック先駆者のひとつ。2007年に認証取得したと言っていました。

Chateau BELLEFONT-BELCIER 2008 2009
メルロ70%、カベルネ・フラン20%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%、所有畑13ha。
2008年はスムースでマルク、まろやかでやわらかいワインです。上品でバランスがよく、早い時期から楽しめるスタイルですね。
2009年は凝縮感があるのにエレガント。こちらもまろやかで、なめらか。とろりと濃厚ですが、甘ったるさは全くありません。
シャトーのスタイルとしては、ふっくらソフト、というのがベースにあるように思います。やり過ぎていない点が好感持てます。

2008年と2009年を比較試飲して感じたのは、
2008年
ほどよいボリューム感があり、酸がしっかりしていてバランスがいいので、食事に合わせやすく、早くから楽しめるスタイルが多い。
2009年
完熟してニューワールド的なニュアンスがあり、樽の使い方も強め。果実味もタンニンもパワフルなフルボディなので、まだまだ時間が必要。

ある生産者の話では
2008年は春と秋は素晴らしかったが、夏が寒かった。よって収穫が遅くなった。ワインはフルーティーなスタイルだが、タンニンがこなれるには少し時間がかかる。
2009年は天候に恵まれ、ブドウがよく熟した。太陽をたっぷり浴び、糖度も高く上がり、果皮も厚くなってタンニン分も多くなったが、バランスがよく、芳醇でコクのあるワインになった。
このように、2008年と2009年のスタイルは違いますが、シャトーによっても個性が違います(樽の風味をより強く出しているシャトー、2008年に少々もの足りなさ感じたシャトーなど)。
サン・テミリオン・グラン・クリュ・クラッセのワインは、ボルドーのメドックの格付けシャトーワインよりも手頃な価格で買えますので、飲んでおいしいと思ったシャトーを覚えておき、それをずっと追いかけていく と面白いのではないでしょうか。

サン・テミリオンは世界遺産に指定されています
