一昨日の記事(Weingut Dreissigacker)の中で登場した、
ドイツワイン輸出協会副会長のヨアヒム・ビンツさんから伺った話を紹介しましょう。
ビンツさんは、ドイツワインを世界に輸出する会社を経営しています。
主な輸出先は北米だそうです。
日本はこの10年でドイツワインの輸出は70~80%に減少してきており、2013年から2014年は18%減だといいます。
この減少傾向は他の国でも同様で、2004年から2014年の10年で40%減だそうです。
ビンツさんの会社で扱うドイツワインの95.96%が辛口で、辛口ワインに関しては倍増以上の伸びを見せているので、世界市場は辛口を好む傾向にあるといいます。
また、品質の高いワインが売れ、価格が高いワインも売れていることから、
「辛口のクオリティの高いドイツワインを売っていくことで、ドイツワインの販売を増やしていきたい」と言います。
従来の有名生産者のワインだけでは、こうした市場の需要を満たせないので、
新しい、若い生産者を掘り起すことで、市場の需要を満たす -それがビンツさんの仕事です。
昨今、ドイツの食文化は変わりつつある、とビンツさんは見ています。
軽くて脂肪の少ないもの、ハーブやスパイスを使ったもの、
魚、鶏肉、産地特有の季節の素材で作った料理が好まれ、
アジアや北欧の食に注目が集まってきている、そうです。
こうしたモダンな料理にふさわしいのは、冷涼産地のワインです。
ドイツも当然、冷涼産地ですね。
日本の料理との相性を見てみると、ビンツさんの考えとしては、
日本の料理にはバリックの効いた赤ワインやアルコール度数の高いものはNG、
刺身にバリックのシャルドネもNG。
「辛口でエレガントなワインで、調和のとれたものが日本の料理、アジアの料理に合う」
そう考えると、ヨハンがつくる Dreissigacker のワインは、
甘みでもって口当たりをよくすることをしていない
木樽の風味がしない
料理といいバランスが取れる複雑味がある
タイ料理などの辛い料理でも受け止められる
「だから、Dreissigackerのワインがオススメ」と、ビンツさん。
Dreissigackerの詳細は一昨日の記事をご覧ください → コチラ
一昨日の記事の中で ラインヘッセンの若手ワイン生産者グループについて触れましたが、ドイツでも生産者の世代交代はかなり進んできていると実感しています。
昔、ワインを飲み始めた頃は、ワイン生産者といえば、おじさんやおじいさんでした。
が、今は、私より若い人の方が多いかも?(笑)
左)Dreissigackerのヨハンさん
ビンツさんが古い資料(1896年、ロンドンのワインリスト)で説明してくれましたが、「Hock」(ラインガウ地域のワインを指す言葉)のワインの価格は、ボルドーのシャトー・パルメが40ポンド、ロマネ・コンティ1860年が130ポンドなのに対し、シュタインベルガー・カビネット1866年を見ると、150ポンド!(木箱1箱の価格)
100年ちょっと前は、ドイツワインの方が高価だったんですね
第二次世界大戦が終わった1940年代、ドイツはワインの生産年としては恵まれなかったため、甘口のワインが人気となりました。
この甘口人気が30~40年続いたことで、ドイツは甘口で安いワイン、というイメージが定着してしまいました。
「そのイメージを変えていくのが現代のドイツワインの課題」とビンツさん。
現在、ドイツの若手生産者たちが非常に活発です。
彼らは大学や醸造学校で専門知識を学び、フランスや英語圏のワイナリーなどで研修を積み、新しい考え方ができ、新しい食文化の舌を持つ世代です。
ですから、もちろん老舗や有名どころもいいですが、若手が当主として頑張っているワイナリーのワインは要チェックです。
ドイツワインの生産に関しては、リースリングがダントツのNO.1で、世界の中でもNo.1の栽培面積を誇っています。
白品種では、ミュラー・トゥルガウ、ケルナー、バフーフ、ショウレーベが減少、
ピノ・グリ(グラウブルグンダー)、ビノ・ブラン(ヴァイスブルグンダー)が増えています。
注目はシャルドネで、2000-2014年で175.1%も栽培面積が激増しています。
これは、ドイツはワイン生産国でありながら、同時にワイン輸入国でもあり、消費者に人気のあるシャルドネの栽培を増やそうという傾向があるからです。
シャルドネだけでなく、ソーヴィニヨン・ブランもドイツで飲まれるようになってきたため、この2つの白品種の栽培が増えただけでなく、ワインの品質もかなり上がってきています。
赤品種では、ピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)がNO.1で、世界の中でも実は栽培面積3位、というのが意外でしょうか?ちなみに、1位はフランス、2位はアメリカです。
他では、ドルンフェルダーが83.3%増(2000-2014)で、NO.2に躍り出ました。
レゲンド、レンベルガーが急激に伸びてきていますので、これらも注目です。
ドイツワイン事情に精通したビンツさんから伺った今回の話は、非常に有意義なものでした。
日本も変化、進化しているように、ドイツも大きく変わってきています。
先入観を捨て、ありままの姿を見る目が大切だと思いました。
ドイツワイン輸出協会副会長のヨアヒム・ビンツさんから伺った話を紹介しましょう。
ビンツさんは、ドイツワインを世界に輸出する会社を経営しています。
主な輸出先は北米だそうです。
日本はこの10年でドイツワインの輸出は70~80%に減少してきており、2013年から2014年は18%減だといいます。
この減少傾向は他の国でも同様で、2004年から2014年の10年で40%減だそうです。
ビンツさんの会社で扱うドイツワインの95.96%が辛口で、辛口ワインに関しては倍増以上の伸びを見せているので、世界市場は辛口を好む傾向にあるといいます。
また、品質の高いワインが売れ、価格が高いワインも売れていることから、
「辛口のクオリティの高いドイツワインを売っていくことで、ドイツワインの販売を増やしていきたい」と言います。
従来の有名生産者のワインだけでは、こうした市場の需要を満たせないので、
新しい、若い生産者を掘り起すことで、市場の需要を満たす -それがビンツさんの仕事です。
昨今、ドイツの食文化は変わりつつある、とビンツさんは見ています。
軽くて脂肪の少ないもの、ハーブやスパイスを使ったもの、
魚、鶏肉、産地特有の季節の素材で作った料理が好まれ、
アジアや北欧の食に注目が集まってきている、そうです。
こうしたモダンな料理にふさわしいのは、冷涼産地のワインです。
ドイツも当然、冷涼産地ですね。
日本の料理との相性を見てみると、ビンツさんの考えとしては、
日本の料理にはバリックの効いた赤ワインやアルコール度数の高いものはNG、
刺身にバリックのシャルドネもNG。
「辛口でエレガントなワインで、調和のとれたものが日本の料理、アジアの料理に合う」
そう考えると、ヨハンがつくる Dreissigacker のワインは、
甘みでもって口当たりをよくすることをしていない
木樽の風味がしない
料理といいバランスが取れる複雑味がある
タイ料理などの辛い料理でも受け止められる
「だから、Dreissigackerのワインがオススメ」と、ビンツさん。
Dreissigackerの詳細は一昨日の記事をご覧ください → コチラ
一昨日の記事の中で ラインヘッセンの若手ワイン生産者グループについて触れましたが、ドイツでも生産者の世代交代はかなり進んできていると実感しています。
昔、ワインを飲み始めた頃は、ワイン生産者といえば、おじさんやおじいさんでした。
が、今は、私より若い人の方が多いかも?(笑)
左)Dreissigackerのヨハンさん
ビンツさんが古い資料(1896年、ロンドンのワインリスト)で説明してくれましたが、「Hock」(ラインガウ地域のワインを指す言葉)のワインの価格は、ボルドーのシャトー・パルメが40ポンド、ロマネ・コンティ1860年が130ポンドなのに対し、シュタインベルガー・カビネット1866年を見ると、150ポンド!(木箱1箱の価格)
100年ちょっと前は、ドイツワインの方が高価だったんですね
第二次世界大戦が終わった1940年代、ドイツはワインの生産年としては恵まれなかったため、甘口のワインが人気となりました。
この甘口人気が30~40年続いたことで、ドイツは甘口で安いワイン、というイメージが定着してしまいました。
「そのイメージを変えていくのが現代のドイツワインの課題」とビンツさん。
現在、ドイツの若手生産者たちが非常に活発です。
彼らは大学や醸造学校で専門知識を学び、フランスや英語圏のワイナリーなどで研修を積み、新しい考え方ができ、新しい食文化の舌を持つ世代です。
ですから、もちろん老舗や有名どころもいいですが、若手が当主として頑張っているワイナリーのワインは要チェックです。
ドイツワインの生産に関しては、リースリングがダントツのNO.1で、世界の中でもNo.1の栽培面積を誇っています。
白品種では、ミュラー・トゥルガウ、ケルナー、バフーフ、ショウレーベが減少、
ピノ・グリ(グラウブルグンダー)、ビノ・ブラン(ヴァイスブルグンダー)が増えています。
注目はシャルドネで、2000-2014年で175.1%も栽培面積が激増しています。
これは、ドイツはワイン生産国でありながら、同時にワイン輸入国でもあり、消費者に人気のあるシャルドネの栽培を増やそうという傾向があるからです。
シャルドネだけでなく、ソーヴィニヨン・ブランもドイツで飲まれるようになってきたため、この2つの白品種の栽培が増えただけでなく、ワインの品質もかなり上がってきています。
赤品種では、ピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)がNO.1で、世界の中でも実は栽培面積3位、というのが意外でしょうか?ちなみに、1位はフランス、2位はアメリカです。
他では、ドルンフェルダーが83.3%増(2000-2014)で、NO.2に躍り出ました。
レゲンド、レンベルガーが急激に伸びてきていますので、これらも注目です。
ドイツワイン事情に精通したビンツさんから伺った今回の話は、非常に有意義なものでした。
日本も変化、進化しているように、ドイツも大きく変わってきています。
先入観を捨て、ありままの姿を見る目が大切だと思いました。