評価
第2巻はノルマン人が南イタリア・シチリアにやって来た経緯と2つの奴隷救出団体について。
フランス北部のノルマンディー地方の人々がイタリア南部を領するようになった理由がわかり、「なあ~るほど!」と納得。フリードリッヒ2世がシチリアで育ち、神聖ローマ帝国と掛け持ちで統治していたいきさつがさっぱりわからず悶々としていたところだったので塩野七生さんに感謝(笑)!
で、それは、1016年、ノルマンの騎士40人が聖地エルサレム巡礼の帰りに南イタリア・プーリアの聖地を訪問したことから始まったのだった。ビザンチンとサラセンの支配に苦しんでいた住民の「どちらも追い払って欲しい」との要請に応えたノルマン人は、ビザンチン勢を一掃(1017年~1019年)、南イタリアの制覇完了(1037年)、そして、1086年にはシチリア攻略を成し遂げ、「地中海の奇跡」と呼ばれる、イスラム教徒とキリスト教徒という異教徒同士がともに生きていけるシチリア社会を実現したのだった。
1200年前後に設立された2つの奴隷救出団体=救出修道会、キリスト教徒救出騎士団は、海賊によって拉致され北アフリカで捕らわれの身になっていた奴隷を身代金で買い戻す非武装運動を続けていた。その活動期間は500年~600年間、助け出した人の数は100万人とも言われている。