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レ・ミゼラブル(上)ーヴィクトル・ユゴー

2021年03月04日 | 読書

評価5

世界の名作中の名作!
パンを盗んだことで牢に入れられたジャン・ヴァルジャンは脱獄を繰り返し重罪になる。牢を出た彼は司教の世話になるが燭台を盗んだことで刑事ジャヴェールに再び追われる身に・・・市長となり善政をほどこすも再び彼の人生は暗転。60歳を過ぎたジャン・ヴァルジャンの運命は?

せっかく市長になったのに、ジャン・ヴァルジャンの汚名を着せられようとする男を助けるために市長の座を捨ててまで自分が真犯人だと名乗り出るジャン・ヴァルジャン。黙ってりゃいいものを・・・と思ってしまうが、この辺が奥深い。読ませてくれる。考えさせてくれる。思わず唸ってしまう。

市長になってからその境遇を知り、親身になって世話をした哀れな女性ファンテーヌの死を看取ったジャン・ヴァルジャンはその娘コゼットと暮らし始める。美しい女性となるコゼットとそれを見染めたマリウスとの関係がどうなるのか?ジャン・ヴァルジャンはどんな生き方をするのか?興味が尽きない。

小学生の頃読んだ記憶には燭台を盗む場面しかなかったのだが、フランス革命後の政情も織り込んだ実に複雑で深い心情が語られる物語。全然古さを感じさせない!名作!!!