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母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

県立学校長21年度人事異動

2021年03月10日 | 白堊スポーツ
ネタ元は今日の岩手日報。

◆盛岡一高校長<起用が濃厚>
 梅津久仁宏(県教委教育次長)
◆黒沢尻北校長<就任する見通し>
 及川浩純(前沢校長)
◆盛岡視覚支援学校長<就任する見通し>
 高橋縁(県教委特別支援教育課長)
※3氏とも昭和56年盛岡一高卒業

◆退職
 佐藤有(盛岡一高校長)昭和54年盛岡一高卒業
 南舘秀昭(盛岡工校長)昭和54年盛岡一高卒業
お二人ともお疲れ様でした!

貴婦人Aの蘇生ー小川洋子

2021年03月10日 | 読書

評価5

ロシア・ロマノフ王朝最後の皇女・アナスタシアと思われる私の伯母さんは、剥製蒐集家だった亡き伯父さんとの思い出が残る館で剥製に囲まれて、刺繍を趣味にして暮らしていた。硬筆なタッチで読者を魅了する小川ワールド!

私は、父が死に、学費を出してくれることを条件に亡命ロシア人のユーリ伯母さんと一緒に暮らし始める。ニコライ2世の娘と思われる伯母さんは亡き伯父が残してくれた大量の剥製に刺繍を施すことを日常にしていた。ある日、剥製雑誌編集者のオハラが訪ねて来て「ロマノフ王朝最後の皇女ではないか」と雑誌に掲載したことで、ユーリ伯母さんはテレビに出演し、弟のアレクセイとの再会を果たす。

最後まで、伯母さんがアナスタシアなのかどうかの真相は明らかにされないが、歴史ロマンと小川洋子らしい「生と死の往来」というキーワードが散りばめられていて。またしても彼女の紡ぎ出す世界に浸った。2つの世界の境となる扉を、回転の儀式+立ち幅跳びでしか越えられない強迫性障害のニコが物語の進行役を務めている。このキャラクターの設定も素晴らしい!!!

小川洋子の世界を知ってしまい、他の小説が陳腐に思えてしょうがない。これはこれで困ったもんです・・・(笑)。