評価
パリの六月暴動において重症のマリウスを助け出したジャン・ヴァルジャンはコゼットとマリウスの結婚後に前科者であることを明らかにする。彼の善行を知ったマリウスとコゼットに看取られてジャン・ヴァルジャンは天国へ召されるのだった。
1832年6月5日から翌日にかけての王政打倒の暴動(パリ蜂起)の場面が延々と続くのには閉口したが、ジャン・ヴァルジャンとマリウスの脱出行に例の悪党テナルディエ(大嫌い!)が絡んでいたり、コゼットの居場所捜索をテナルディエの娘が手伝ったりと随所に見どころが散りばめられていて「世界の大河小説ここにあり」っていう感じで楽しめた。
しかしなあ~ジャン・ヴァルジャン、そこまで物事突き詰めなくてもいいんじゃないかな~というのが正直なところ(笑)でも、人生を歩んで行く上での教訓になるお話。アベ、ヤマダ、のように人間ウソで固めてはいけません!
最後になりますが、あのマムシのような警部ジャヴェールが自殺してしまったことが不可解でしたが、彼にも良心があった、ということなのでしょう。と、感想を述べて世界の名作に酔った日々の締めくくりとさせていただきます。
【追伸】この文庫版は物語の凝縮版で「読みやすい」とけっこう評判が良いようです。