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ミャンマー 線路補修でスピードアップを

2015-12-08 07:30:00 | 報道/ニュース

11月21日 おはよう日本

毎年日本から中古の鉄道車両が数多く運び込まれているミャンマー。
これまでに無償で提供を受けたり購入した数は250両にのぼる。
日本の中古車両は「エアコンカー」と呼ばれミャンマーで人気を集めている。
最大都市ヤンゴンの環状線を走る日本のエアコン付きの車両の運賃は日本円にして約30円。
通勤客などには快適さが受けている。
(乗客)
「毎日乗っているよ。
 車と違って渋滞に巻き込まれないからね。」
「快適でリラックスできるのが列車のいいところね。」
ミャンマーの鉄道はイギリスの植民地時代に作られたが
長く続いた軍事政権のもとで十分なメンテナンスが行われてこなかった。
このため線路が大きくたわんでスピードが出せず
列車は不便な交通手段として敬遠されがちである。
そこでミャンマー国鉄が日本の協力を得て乗り出したのが線路の補修作業である。
ミャンマー各地から集められた作業員の指導をまかされたのが
JR東日本から派遣された小松博史さん。
海外で鉄道建設に携わってきた経験がかわれた。
(JR東日本 小松博史さん)
「鉄道は貧乏な人の乗るもので安いけど遅い。
 快適性がないと言われてきたが少しずつアップしていけば国民の足になる。
 経済に大きなインパクトになる。」
技術さえあれば自分たちの手で鉄道を変えられることをミャンマーの人たちに身をもって知ってもらおうと
ヤンゴン市内の線路を10キロ余にわたって補修した。
スピードアップを図るために導入したのが日本製の長くて安定性のあるレール。
レールとレールのつなぎ目の数が少ないため速度を維持して走ることが出来る。
さらにレールのつなぎ目を補強するため厚みのある金属の板を現地で作った。
(JR東日本 小松博史さん)
「細かな部品はミャンマー製が多いので
 それがどれくらいスピードアップに耐えられるか実証したい。」
2年間かけて慎重に進めてきた補修作業。
その成果を試す走行試験が行われた。
目標とするのは通常の2倍の時速60㎞。
車両は線路が補修された区間に差しかかる。
1回目の最高時速は55㎞に達した。
試験走行を重ねるごとに少しずつスピードを上げていくつもりだったが
ミャンマーの技術者たちは一気に目標の時速60㎞では知らせてみたいと提案。
安全を考えて慎重を期したかった小松さんたちも受け入れた。
静かに走り始めて列車はグングンとスピードを上げる。
そして小松さんたちが見守る前をスムーズに走り抜けた。
そして結果は・・・
記録したのは今までの2倍以上の時速63㎞。
目標の達成を目の当たりにしたミャンマー国鉄の関係者たちは
国民の鉄道への信頼を取り戻したいという思いを新たにしている。
(ミャンマー国鉄 技術者)
「目的地までより短い時間で行くことができるようになれば
 鉄道の利用価値はさらに高まっていくと思います。」
線路を補修することの大切さを伝えた小松さん。
今回の経験がミャンマーの鉄道の発展につながってほしいと考えている。
(JR東日本 小松博史さん)
「日本と同じ条件が整えば100㎞は問題ない。
 同じ技術を自分の故郷に戻って作るとなれば
 ミャンマー国全体で保線・軌道の技術がアップするし
 スピードアップもするのではないかと思う。」

 

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