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危機感から誕生 デニム生地の着物

2015-12-17 07:30:00 | 報道/ニュース

 11月28日 おはよう日本

岡山県倉敷市は約40社のメーカーが集まる日本有数のジーンズの生産地として知られている。
国産のジーンズが初めて作られたのも倉敷市だが
それから半世紀がたち
最近は外国製の安い商品に押されている。

ジーンズをこよなく愛するある男性のいま最もお気に入りはデニム生地の着物。
「一番いいのは何より着やすい。
 食べ物の汚れとか一切気にならない。
 公園のベンチに座ってもなんとも思わないし
 ふだんのジーパンと同じ扱いですね。」
着物を作っている倉敷市のジーンズメーカー。
45年前 国産の女性用ジーンズを始めて開発。
正確な縫製技術と高級感あるデニム生地を売りに
特注ジーンズなど数多くのブランド商品を生み出した。
しかし国産ジーンズはいま外国産の安いジーンズに押されている。
生産量はこの5年で20%落ち込んだ。
将来の生き残りをかけ
強みのデニム生地を生かした商品を作れないか
そんな危機感から誕生したのが着物。
(ジーンズメーカー 大島康弘社長)
「いままではどちらかというと量を追求する
 量を数売ることをやってきた。
 これからは特色ある商品
 今までになかったものを発想していく。
 発想力というものが非常に大事になってくる。」
しかし着物にはジーンズの3倍近い生地が必要である。
重さもその分増え
試行錯誤の連続だった。
縫い合わせはこの道60年のベテランの職人が担当した。
生地の重みで縫い目が伸びて型崩れしないよう1針1針ゆっくりと縫い進める。
「物が大きいし重たいから力いっぱいです。
 分厚いからかたいでしょ。」
さらに生地を柔らかくする工程でも工夫を凝らした。
ジーンズは何度も生地を洗って柔らかくする。
しかし着物は洗うときにできる皺が無用な色落ちにつながってしまう。
そこで洗う前に丹念にアイロンがけをした。
ひと手間かけることで皺ができにくくなり色合いを損ねなくなった。
(ジーンズメーカー 大島康弘社長)
「今までやったことがない。
 勝手が違う。
 できそうなことをちょっとずつやっていく。」
着物づくりのきっかけを作ったのは東京の呉服メーカーである。
着物を着る人が減り続けるなか
新たな愛好者を掘り起こそうと行きついたのが着物の生地だった。
(着物メーカー 大橋英士会長)
「着物に興味のない人にきものに興味をもってもらうためには素材の力を借りる。
 デニム大好きな人はいっぱいいるので。
 作るからには世界一のクオリティー
 生地とか縫製だとか加工とか。
 そのことを考えたらやっぱり岡山しかないと思う。」
着物の値段は約10万円。
この1年で100着近く売れ
今は2か月待ちの状況である。
男性女性ともに年代を問わず人気が高いという。
(試着した人)
「もっとごわっとしているかと思ったら
 すごく肌触りも綿でいいので柔らかく着ることができて
 苦しくない。
 本当に洋服感覚ですね。」
東京で行われた打ち合わせ。
ジーンズメーカーと呉服メーカーの担当者が新たなラインナップの検討をした。
今後も連携してデニム生地の着物づくりを続けることにしている。
(ジーンズメーカー 大島康弘社長)
「今まで50年やっていろんな技術が蓄積されている。
 それを生かしつつ新しいものにチャレンジしていく。
 そういったところからの発展性は大いに考えられると思っている。」
このメーカーでは着物だけではなく」
デニムの生地を使った靴やネクタイなども開発していて
海外との競争を勝ち抜くブランド力を磨こうとしている。

 


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