12月5日 経済フロントライン
資源が乏しいとされてきた自治体でも新たな発想で町の強みを見出している。
山形県最上町。
森林が84%を占める山形県最上町では山の整備で出る間伐材に着目した。
そのほとんどが利用されずに捨てられてきた。
(林業者)
「今までは山にそのまま残材として残してきた。」
間伐材で作り始めたのが木質チップ。
石油やガスに代わる再生可能エネルギーとして大規模に利用する計画である。
すでに病院や介護施設など町内8か所の暖房や給湯を賄っている。
役場で町づくりを担当する高橋浩康さん。
木質チップの製造を町を支える新たな産業にしようと考えている。
(最上町 まちづくり推進室 高橋浩康さん)
「山の間伐材を燃やして熱をとる側面だけではなく
仕事 産業の創出までつなげる。」
今年7月には燃料として大量のチップを使うバイオマス発電所の誘致に成功。
発電所が稼働すればチップの使用量は7倍に増加する見込みである。
町の製材所も事業を拡大しようとしている。
工場を増設し製造にあたる従業員を現在の3人から大幅に増員。
1億5,000万円の売り上げアップを目指す。
「会社の規模が3倍4倍になれば新たな雇用も生まれるのではないか?」
「トータル10名以上雇用を拡大したい。」
(製材会社社長 下山邦彦さん)
「自分でも驚いている。
どんどん林業は衰退していた。
そこで雇用が生まれて仕事につながったことは自分でも驚いているしいいことだと思う。」
さらにいま町が取り組んでいるのがエコタウンの建設である。
すべての暖房や給湯を木質チップで賄う。
環境への配慮をアピールし県外の若い人を呼び込むのが狙いである。
国のお除菌などを含め総事業費は7億円。
23世帯分の住宅を建設し1戸建ては1,800万円ほどで販売する予定である。
高橋さんはエコタウンについてすでに都会から町に移り住んでいる若者に意見を聞いた。
(県外出身者)
「環境に気を使いながら生活していきたい層は絶対いる。
そういう人たちの目に留まるような仕掛けを整備と一緒に進めていければ
間違いなく魅力ある街になる。」
見過ごされてきたものでも活用の仕方次第で原動力になりうると高橋さんは言う。
(最上町 まちづくり推進室 高橋浩康さん)
「無い物をねだっても仕方がないことで
町にある資源 財産なりをフルに使いきっていく。
人口減少の大きな流れは止められないにしても
それを少しでも抑えていく。」