12月5日 経済フロントライン
山口県萩市の道の駅 萩しーまーと。
地元の水産業者が市と協力して起ち上げたこの施設は
新鮮な魚が人気で年間140万人が訪れる。
オープン以来 力を入れてきたのが地元の魚のブランド化である。
それまでほぼ地元だけで消費されてきたヒメジという魚を
“萩の金太郎”としてブランド化。
オイル漬けの加工品を売り出したところ東京のデパートで火がつき
年間1万個売り上げる大ヒットとなった。
これによって魚自体もこれまでより高く取引されるようになった。
(山口県漁協はぎ統括支店 吉村正義さん)
「金太郎さん(ヒメジ)はね
大きいのは今までより倍くらい単価が上がった。」
しーまーとはいま次のヒット商品をねらっている。
協力を求めたのはフレンチの有名シェフ 熊谷喜八さん。
シェフの目線で地元の魚の価値を再発見してもらおうと考えた。
萩の魚のブランド力をさらに高め
漁業者の収入アップにつなげようというのである。
(萩しーまーと 山口泉さん)
「たくさん水揚げがあるけど使いきれていない食材そういったものを使って
魚価を上昇させて
水産事業に携わるたとえば漁師さん仲買さんそういった方々の利益に少しでもつなげていく。」
さっそく熊谷さんに地元の魚を見てもらった。
熊谷さんが驚いたのは高級魚の価格の安さだった。
(フランス料理 シェフ 熊谷喜八さん)
「せっかくいいものなんだけどみんなに知られていない。
もっと収入が上がるような開発して
彼らが潤うようなことをしてあげたい。」
素材の良さを実感した熊谷さん。
地元で獲れたマフグやレンコダイなどを使った“だし茶漬け”を提案した。
隠し味は東南アジアのナンプラー。
熊谷さんならではのアイデアである。
家庭でも手軽に楽しめるよう だしと具材を真空パックにしている。
「ごま ショウガが魚にマッチしてすごくおいしい。」
今後 改良を重ね
来年春に販売を始める予定である。
さらに首都圏に直接魚を売り込むことにも力を入れている。
しーまーとの山口さんが訪れたのは渋谷の飲食店。
店の看板商品を探していた店主が萩の魚に目をつけた。
(飲食店店主)
「山口にしかない魚
地域性みたいなのがあったら面白いかな。
何でもいいので うちは。」
しーまーとは現在東京の5つの店に魚を直送している。
地元と比べて2倍以上の価格で取引で来ているという。