11月21日 衛材フロントライン
11月11日 京都市内で開かれた会合 ベンチャービジネスクラブ。
参加しているのは地元京都で起業したベンチャー企業の経営者たちである。
会員同士の情報交換の場となっている。
(靴の中敷きの製造・販売)
「企業同士の連携
ご紹介がありますので非常にありがたい。」
(家電のアフターケア)
「資金のアドバイスをもらえたりするので
そういった面でメリットは非常に多い。」
ベンチャービジネスクラブを設立した京都市。
さらにはこれからの成長が見込める企業を発掘し育成しようという取り組みも行っている。
「京都市ベンチャー企業目利き委員会」。
その仕組みは
企業は目利き委員会に応募。
目利き委員会は企業の将来性について書類審査や面接が行われる。
将来性が高く評価された企業は
研究開発や調査の費用に充てる補助金が受けられるほか
弁護士や大学教授、大手企業を退職した技術者など専門家の助言を無料で受けることが出来る。
審査を行うのは京都の名だたる企業の経営者たちで
現在は日本電産の永守重信社長が委員長を務めているほか
これまで京セラの稲森和夫名誉会長らもメンバーだった。
これまでに117社が最高ランクの評価を得ていて
中にはその後上場を果たした企業や大手と契約を結んだ企業もある。
(「京都市ベンチャー企業目利き委員会」担当 神家規寿さん)
「非常に大きく成長していって
将来 京都の経済を支えるような中堅、大企業に育っていってほしい希望がある。」
この支援を受けて売り上げを4倍に伸ばした企業がある。
京都マテリアルズの山下正人社長は大学で10年間金属とさびの研究を続け
3年前に京都で起業した。
目利き委員会から評価を受けた塗料。
従来の塗料とは違い特殊な金属の粉末を混ぜることで鉄の腐食を防ぐことを発見。
表面に塗れば半永久的にさびの浸食を抑えられるという。
(京都マテリアルズ 山下正人社長)
「子の有効成分を含んだ塗膜が表面にできる。
腐食環境が鉄に侵入してくるのを防ぐ。」
塗料を塗った鉄と塗っていない鉄を比較すると
10年間放置した結果
塗っていない方は激しくさびているが
塗った方はさびていない。
目利き委員会に評価されたことをきっかけに評判が広がり
去年 京都市の公共工事に試験的に使われた。
今後 老朽化する社会インフラに広く利用できると期待されている。
11月には国の「ものづくり日本大賞」で特別賞を受賞するなどその評価が高まっている。
(京都マテリアルズ 山下正人社長)
「有名な経営者の方が審査員でおられますので
そういう方からお墨つきをいただいて広く会社の信頼度が上がった。」
今年から本格的に京都大学と共同研究も開始。
産官学の連携が新たなベンチャー企業の成長を後押ししている。
(京都マテリアルズ 山下正人社長)
「このようなつながりを持たせていただける。
大学とのつながりも含めてですね
そういうところが非常に良かった。
さらに新しい研究開発を進めていって
できる限り世の中で使っていただけるようなそういう技術につなげたい。」