7月3日 キャッチ!
世界でひそかに人気を集めている
時には危険が伴う異色の旅行。
中国の西安にある旅行会社が提供しているツアーの一部。
イラク “クルド人の冒険”
チェチェン “未知の旅”
チェルノブイリ “驚がくの旅”
北朝鮮 “解放の日ツアー”
去年
この旅行会社の北朝鮮ツアーに参加し
ピョンヤンで拘束されたのが
アメリカ人学生のオットー・ワームビアさんである。
6月に急きょ帰国した後に亡くなり
大きなニュースになった。
ワームビアさんはなぜ北朝鮮に拘束されたのか。
時には大きな危険が伴う旅行の実態を取材したアメリカABCのリポート。
デイリーメール祇が入手した写真。
当時21歳だったワームビアさんが北朝鮮で拘束される前に撮影されたものである。
(ワームビアさんの父親)
「息子は刺激的な体験を求めるすばらしい若者だった。
北朝鮮に行った人の話を聞いて
行ってみたいと言い出したんです。」
ピョンヤンのホテルで政治宣伝用のポスターを盗んだとして
強制労働15年を言い渡された。
(オットー・ワームビアさん)
「助けてください。
家族のことを考えて・・・。」
ワームビアさんは十何か月の拘束の間に昏睡状態に陥り
突如帰国。
激しい脳の損傷もあり
無反応のまま
結局
6日後に死亡した。
彼は中国にある代理店を通して北朝鮮への旅を計画した。
ウェブサイトには
“母親が反対する場所でも安く旅行できます”と宣伝されている。
一方ツイッターでは
イランでのスキーをする写真や
イラクのアルビルで兵器の修理工場を訪ねる写真を掲載。
また
“チェルノブイリがおすすめ”との書き込みもある。
西安にある旅行代理店に向かった。
ワームビアさんの旅行は何が問題だったのかを聞くためである。
「ABCです。
いままでも電話で連絡したのですが
お話しよろしいですか?」
「だめです。」
ワームビアさんが旅行した当時
旅行代理店は北朝鮮旅行を“極めて安全”としていた。
“アメリカ人でも大丈夫か?”という質問には
“全く問題ない”とも。
旅行者の動画には
北朝鮮での文化体験を喜んでいる様子や
ピョンヤンマラソンに出場。
また日常風景の動画も。
ワームビアさんは北朝鮮を訪れた多くのアメリカ人の1人だった。
(アンドリュー・バーンさん)
「北朝鮮には一度行きたかったんです。」
バーンさんは同じ代理店を使い北朝鮮に旅行。
ワームビアさんの拘束後だった。
(アンドリュー・バーンさん)
「支持された行動から逸脱すれば
拘束されたり
それ以上の悪い事態になることもあると
はっきりと言われた。
指示どうりにふるまうことがとにかく重要だと。」
旅行代理店は
アメリカ人観光客の北朝鮮ツアーを取りやめると発表した。
またアメリカ外務省も
“拘束される深刻なリスクがある”と警告。
全てのアメリカ人の北朝鮮への渡航禁止も検討している。
危険な国では1つの間違いが取り返しのつかない事態を招く。
2009年にはショードさんら3人がイランの国境でハイキング中に拘束された。
スパイ容疑だった。
ショードさんはイランの拘置所に1年以上の監禁後
人道的理由で解放された。
(サラ・ショードさん)
「1人が解放されただけです。」
残る2人が解放されるまでさらに1年がかかった。
それでも多くの人が危険な旅行にひきつけられ
市場は年間263億ドルにのぼると言われる。
限界まで危険を求める人もいる。
余暇を楽しむアンドリュー・ジュリーさん。
「狙撃兵に撃たれるかもしれません。」
彼は世界の紛争地域で休暇を過ごしてきた。
アフガニスタン
チェチェン
ソマリアである。
ソマリアでは撃墜された軍用ヘリコプターを見たかったからだと言う。
Q.命を危険にさらしていると分かっていますか?
それでも彼は危険を犯して旅に出かける。
残してきた妻や子供の不安をよそに。
(ジュリーさんの妻)
「無茶をやめて
別人になって
とは言えません。」
イラクでの旅でも命を危険にさらす。
(アンドリュー・ジュリーさん)
「この先は過激派武装組織ISの支配地域。
旗が見える。」
前線で目の当たりにしたISとの戦闘では
「誰かが撃たれた。
我々は攻撃にさらされている。」
「銃撃が始まってもみんな整然としていて
恐怖を感じませんでした。」
「反撃です。」
「不謹慎だが刺激的。
帰って3日間眠れませんでした。」