7月15日 おはよう日本
京都三大祭りの1つ
祇園祭。
お囃子の鐘の音とともに豪華絢爛な山車が練り歩く。
その中に幕末の戦火で姿を消した「鷹山」という山車がある。
地元の人たちは復活を目指し
今年まずかねの音をよみがえらせた。
6月京都の八坂神社で行われた祇園祭の奉納囃子。
190年間にわたって途絶えている「鷹山」という山車のお囃子である。
祇園祭のハイライト
山鉾巡行。
“山”や“鉾”と呼ばれる30余の豪華絢爛な山車が
雅な祇園囃子の音を響かせながら都大路を練り歩く。
鷹山は江戸後期の大雨で山車の装飾品が痛んで参加できなくなった。
その後
幕末の“禁門の変”で本体が焼け
鷹山の巡行は途絶えている。
西村健吾さん。
かつて地元にあった鷹山を祇園祭の舞台に戻そうと活動している。
“山”や“鉾”によって旋律が異なる祇園囃子。
西村さんたちはまず鷹山のお囃子を復活させるところから始めた。
(囃子方代表 西村健吾さん)
「いろいろ不安の方が多かったが
やるかやらないかで言えば
やらなければいけないという気持ちがあった。」
コンチキチンの音色で知られるかね。
この音色をどう再現するかが課題だった。
鷹山で使われていたかねの一部は今も残されている。
火事で溶けて原形はとどめていないが
地元の人たちによって大切に受け継がれてきた。
西村さんたちは専門の機関に焼け残ったかねの成分の分析を依頼。
銅とすずの配合を割り出した。
製造は京都市内の仏具店に依頼した。
約200度に熱した型に溶かした銅とすずを流し込む。
190年前の音色を忠実に再現するため伝統的な鋳造方法で作り上げた。
(京仏具「関崎」 関崎弘和社長)
「子どものころから祇園祭は耳にしている音なので
かね作りに携われるということは非常にありがたい。
できるだけ音が澄んで鳴り響くようにという思いで作った。」
新しいかねは八坂神社での奉納囃子でお披露目されることになった。
演奏するのは子どもたちである。
「ちょっとだけポンとたたいたらすごい音が鳴るので
感触は良かった。」
(囃子方代表 西村健吾さん)
「思った以上に澄んだ音で
きれいな音が出ていたので
大満足なかねが出来上がったと思っている。」
そして迎えた本番当日。
江戸時代以来となる鷹山のかねの音が八坂神社に響き渡った。
(参拝客)
「すごい澄んだ透明な音だった。」
「すごく神秘的で
心の中に入っていくようでよかった。」
(囃子方代表 西村健吾さん)
「鷹山のかねを復興させて
道具もこれで全部そろったので
ひとつひとつ鷹山らしい囃子になっていくのではないかと。
早く巡行で囃子がしたい。
鷹山は今度は休まずずっと参加できるのではないかと思う。」
鷹山を復活させて晴れの舞台へ。
伝統の祇園祭に新たな歴史を刻もうとする歩みが進んでいる。
西村さんたちの鷹山の山車は4年後の復活を目指している。