7月29日 経済フロントライン
広島県にある精米機メーカー。
従業員約1,000人。
国内トップシェアを誇り海外にも展開している。
7月9日から週休3日制を5週間限定で試験的に導入している。
土日と祝日に加えて
週休3日になるように平日の休みを3日間増やした。
経営企画室の平井大介さん。
2泊3日で旅行に出かけ家族全員でゆっくり過ごすことができた。
休みを事前に取引先にも伝えていたので仕事への支障もなかったと言う。
(平井大介さん)
「なんとか週休3日でやっても
いけると感じています。」
(サタケ 取締役人事部長 木谷博郁さん)
「従業員の社員も満足するし
これからサタケを目指してどんどん新しい人も入ってくる。
活性化して会社が発展していく。」
この取り組みは一朝一夕に実現したわけではない。
3年前から仕事の効率を上げる工夫をしてきた。
設計を行う部署では
毎日午後1時10分からの2時間余りを設計に集中する“集中時間”とした。
かかってくる電話に対応するのは管理職。
エンジニアは自分の仕事に専念できる。
(社員)
「集中して出来るのでいいと思う。」
「電話を撮ると考えていることが途中抜けちゃったりするので
集中してやるとはかどる。
残業時間も当然減っています。」
さらに本来は営業部が担当している機械のメンテナンスを経理や人事担当の社員でもできるようにした。
繁忙期でも特定の社員に仕事が偏らないようにしたのである。
一連の取り組みで残業時間は月平均で約7時間にまで減らすことに成功。
業務の効率化も進み
週休3日制を導入する準備が出来たと言う。
(サタケ 取締役人事部長 木谷博郁sん)
「最初からボーンとやるのではなくまず1歩踏み出すと。
状況を見ながらさらにもう1歩という形で
無理をせずに少しずつ良くしていこうと。」
一方
十分な準備をせずに週休3日制を導入したことで当初は混乱が生じたという企業もある。
アパレル業界に販売員などを派遣する会社。
1年で全社員の40%以上が辞めた年もあるなど高い離職率が悩みだった。
そこで社員が定着するようにと3年前に週休3日制を導入したが
意外にも不評だった。
当時週休3日制に疑問を持った小此木藍さん。
休みが増えたぶん取引先に迷惑をかけることが精神的な負担になったという。
(セールススタッフ 小此木藍さん)
「クライアントのスケジュールによって自分もスケジュールが変わっていく仕事。
それが私の都合だけで断ってしまったり
業務が滞って迷惑をかけることが多かった。」
「さらに社員にアンケートをとると
他の社員に負担がかかるのが問題だ」という声が相次いだ。
(広報室 松葉谷維子さん)
「様々なところにしわ寄せがいってしまって
正直無理じゃないかと率直なみんなの感想だった。」
どうすれば周りに負担をかけずに週3日休むことができるのか。
曽於で考えられたのが“ゆるやかな”週休3日制である。
当初週休3日に疑問を持っていた小此木さん。
この日金曜日は“ゆるやかな”週休3日制を利用し子どもたちと過ごすことにした。
この日は急ぎの電話にさえ対応すればどこで何をしていても自由。
出勤扱いとなり給料も減らない。
本人が必要と感じれば出勤し
周りへの負担も減らすこともできる。
この“ゆるやかな”週休3日制は社員から使い勝手がいいと好評である。
(シーエーセールスタッフ 小此木藍さん)
「気楽な感じで使っている。
給料が減らなく自由な時間をもらえる制度はすごく助かります。」
この制度を導入して
かつては40%を超えていた離職率は半分以下なった。
(広報室 松葉谷維子さん)
「それぞれの働き方にあった導入の仕方を検討することで
取り入れやすくなるのでは。」