7月22日 経済フロントライン
颯爽と走る近代的なデザインの電気自動車。
手がけたのは自動車メーカーではない。
大手化学メーカーの旭化成が今年5月に発表したコンセプトカーである。
特殊な繊維を使って肌触りを浴したシート
軽くて丈夫なテールランプ
センサー技術でドライバーの異常を把握する計測器など
この会社の最新技術をアピールするのが狙いである。
京都のベンチャー企業GLMが作った車の土台部分に
旭化成がさまざまなアレンジを加えた。
(旭化成 オートモーティブ事業推進室 宇高道尊室長)
「エンジンから電池 モーターに変わる。
これは機構部分としては非常に大きな変化。
旭化成としても提案できることが山ほどあるのではないか。
この転換点は我々にとっての大きなチャンス。」
いまこの会社がターゲットとしているのは電気自動車の普及が進むヨーロッパ市場である。
現地のメーカーとパイプを築くため
去年ドイツに拠点を開設。
本社との間で頻繁に情報交換を行っている。
「結構ヨーロッパの方にもテスラと同じような形で
ギガファクトリー(大規模電池工場)を作ろうと各社いろいろやっている。」
「電池関連で客の引き合いが強い。
これから外にPRしていくべき課題。」
海外に進出にあたって強みとなっているのは車体の軽量化技術である。
電気自動車は1回の充電で走る距離を延ばすため
車体の軽量化が欠かせない。
長年培ってきた樹脂の技術を生かし
軽くて十分な強度を持つ部品を売り込みたいと考えている。
「鋼材の場合比重が非常に重たいので
樹脂材料を使って設計にもよるが重量半分以下を目指したい。」
「5キロの部品が4割減とか半分くらいになったら2~3キロ下がる。
効果は大きい。」
会社では2025年には
電気自動車をはじめとする自動車関連の売り上げを現在の3倍にする目標を掲げている。
(旭化成 オートモーティブ事業推進室 宇高道尊室長)
「もっと広がる可能性を秘めていると感じる。
ヨーロッパ アメリカ その他諸外国
アジアもひとつのマーケットになる。
極めて魅力的な市場だと思っている。」