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中国 見直される読書の魅力

2017-08-07 07:30:00 | 報道/ニュース

7月13日 キャッチ!



中国上海市内にある書店。
落ち着いた店の奥にはカフェが併設されている。
中国の都市部では
コーヒーやお茶を飲みながらゆっくりと本を読むことが
若者のワイフスタイルになりつつある。
電子書籍の利用が増えるなか
カフェで紙の本を読むことがいま街の静かな流行となっている。
(カフェの客)
「この雰囲気の中にいると本を読みたくなります。」
上海市内にはこうした書店が100店舗ほどあり
今年新たに20店舗が開店する予定である。
近年人々の間で見られる読書への関心の高さを物語っている。
実は中国では10年前まで
経済の成長にともなって国民の読書量が減り続けてきた。 
それに危機感を抱いた中国政府は
「全民読書」を掲げ
読書の普及を呼びかけてきた。
学校では読書教育が強化され
近年
本は子どもたちの間で身近な存在になっている。
(児童)
「本を読むのは大好き。
 これは僕の読書VIPカード。
 いつでも図書杏で本を借りれるんだよ。」
国が方針を打ち出すと
各地の地方政府も本の普及に向け独自の政策を推し進めるようになった。
杭州市では
通勤客に本を読んでもらおうと
地下鉄の駅に自動貸本機を設置。
効果があらわれると
街のあちらこちらに機械を置いて
市民が気軽に触れる機会を増やした。
さらに去年から
書店でスマホのアプリを使って本を無料で持って帰ることができるようになった。
本の代金は市の図書館から直接書店に支払われる。
読んだ後は本を図書館に持ち込む仕組みである。
(書店の客)
「この仕組みで読む本の量が増えました。
 本は高いので経済的にも助かります。」
こうした中央と地方政府の後押しもあり
中国ではこの5年
電子書籍をのぞいた書籍の売り上げが毎年約10%も増加した。 
日が暮れた上海。
仕事を終えた人たちが集まる場所がある。
読書を趣味とする人が集まって本を紹介し合い
内容について議論をする読書会である。
今では上海市内に2,000もの読書会があると言われており
仕事帰りの人たちが幅広いジャンルの本を楽しんでいる。
読書界に参加している朱中偉さん。
貿易会社に勤める朱さん。
昼間は会社と得意先を何回も行き来する日々を過ごしている。
(朱中偉さん)
「営業職なので顧客を訪問したり製品の勉強も必要ですね。
 とても忙しいです。」
そんな朱さんがいつも持ち歩いているのが数冊の本である。
1年前に友人から読書を薦められ
積極的に本を手に取るようになった。
お気に入りなのは
心や人生について考えを深めたり自分の内面を豊かにしてくれる本である。
(朱中偉さん)
「毎日機械のように仕事をしているのであまり深く考えることはないですね。
 でも本を読めば思考に浸ることができます。
 幸せな時間です。」
人々の間で見直されてきた読書の魅力。
経済的な豊かさを得た中国で
いま本から得られる心の豊かさが求められている。




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