8月3日 おはよう日本
自動車大国を象徴する片側6車線の幹線道路。
朝夕のラッシュ時には大渋滞となるがスムーズに流れているレーンがある。
そこに示されているひし形のマークは“ダイヤモンドレーン”とも呼ばれ
2人以上乗った車か
エコカーしか走ることが許されない優先レーンである。
かつてはトヨタのハイブリッド車プリウスなどが堂々と走れたが
2011年からは対象から外されてしまった。
環境規制が厳しくなったためである。
ロサンゼルス郊外に住むジェームス・デルクさんは慢性的な渋滞に悩まされてきた。
(ジェームス・デルクさん)
「優先レーンに乗れないので
長距離を走るときはストレスを感じる。」
デルクさんの車はガソリン車なのでエコカーの対象にはならない。
そんなデルクさんがくぎ付けになって見ているのは電気自動車メーカー テスラの新型車のイベント。
1回の充電で約350キロ走行でき自動運転も可能。
それでいて価格は日本円で約390万円と従来のモデルの半額程度に抑えれている。
渋滞から逃れたいデルクさん。
この価格で優先レーンを走れるならと
1年以上前に予約した。
(ジェームス・デルクさん)
「気が早いけど興奮しちゃって。」
納車時期は全く未定だが
早くもガレージに充電設備を取りつけた。
(ジェームス・デルクさん)
「時代の最先端を走ることは気持ちがいい。
テスラに乗ることで自動車革命の担い手になれる。」
テスラが本社を置くカリフォルニア州は
ZEV規制(Zero Emission Vehicle 排出ガスゼロの車)と呼ばれる厳しい環境規制を独自に設けている。
メーカーは販売する車の一定割合をエコカーにする義務を負う。
今年秋以降に販売される車は
対象が電気自動車と燃料電池車
そしてプラグインハイブリッド車にせばまり
条件を満たさないメーカーには罰金が科せられる。
カリフォルニア州の環境規制はその後全米に適用される事例が多いため
各メーカーとも本腰を入れて対応にあたっている。
各社は
走行距離を伸ばしたり
デザインを一新したり
価格を抑えるなどモデル電気自動車の開発に注力している。
自動車大国のアメリカ。
原油安もあっていまだガソリン車が圧倒的なのが現状だが
本格的な電気自動車時代の到来を見据えた競争はすでに激しくなっている。