7月21日 キャッチ!
ソウル中心部で開かれたLGBTの人たちとその支援者たちの集会。
雨にもかかわらず8万人が参加した。
今年で18回目になるこの集会。
2000年に始まったときは参加者な150人だった。
(組織委員会 委員長 カン・ミョンジンさん)
「集会を応援してくれる人が増え
励みになります。
LGBTの人にとって心強いことです。」
しかしこの集会会場の周りにはLGBTの権利拡大に反対する人たちが集まっていた。
同性愛に反対の立場をとるキリスト教系の団体などである。
保守的な道徳観が根強い韓国では
LGBTを受け入れることはできないと公言する人も多くいて
自らをLGBTだとカミングアウトする人は少数である。
(参加者)
「大学の授業でも差別する発言ばかりで
反論しても誰も聞いてくれませんでした。
なぜ過剰に反応するのかと言われ
学生生活がつらかったです。」
こうした社会の偏見の壁を突き崩そうと活動する人も出てきている。
同性愛者のアーティストのヒジ・ヤンさん。
ヤンさんはこの日
風刺画の展示ブースを出した。
作品は
軍隊内の同性愛の問題や
同性愛に反対するキリスト教団体への反発を意味している。
ヤンさんは中学1年のときに初めて自分が他人と違うことに気づいた。
しかし友人にからかわれるのを恐れて
高校卒業まで6年間隠し通した。
(ヒジ・ヤンさん)
「当時の自分のつらかった感情や不当な状況を今さら思い出したりします。」
その後同性愛者であることをカミングアウトしたヤンさんに家族や友人たちは理解をしてくれた。
ヤンさんは韓国社会にLGBTが存在することを訴えようとパフォーマンスを始めた。
ヤンさんを見て驚く人もいるが写真を撮って応援する人もいる。
(市民)
「表だって言いにくいですが
心ではLGBTの人たちを応援しています。」
「直接関わりたくないけど議論はすべきで
あのような人も増えるべきだと思います。」
(ヒジ・ヤンさん)
「町でいろんな人に会ってみると
思っていた以上に寛容で
応援してくれる人も多いんだなと感じました。
LGBTの人も1人だと思わず勇気を出してほしいです。」
(立教大学教授 三本松政之さん)
「調査でLGBT団体を訪問したことがある。
かなり有名な団体だがその事務所を探すのに苦労した。
やはり表に団体名を出せないというような状況がある。
韓国はキリスト教の信者が人口の約3割いると言われていて
その中でプロテスタントが18%いる。
プロテスタントがかなり厳しく同性愛に反対をしている。
プロテスタントの場合には聖書に戻っていく。
聖書の中で同性愛を禁止しているということで
イエスの教えに背いているという罪の意識を持っている。
日本と比べてまだ儒教の側面が日常の中に残っていて
意識の面でいろんな行動に影響を与えている。
例えば自分がLGBTであることを親に伝えることはできない。
韓国の場合は軍隊があり兵役がある。
軍の刑法の中で同性愛の禁止があり
最近話題になっているのが
おとり調査により同性愛者を捕まえて裁判にかけたということが起きている。
みんなが徴兵で軍隊に行きそこで同性愛が否定されることが
我々日本人が感じるより大きな影響があるのではないか。