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インド 暴力をなくしたい 女性たちの闘い

2017-08-16 06:00:00 | 報道/ニュース

7月22日 おはよう日本


インドは経済成長にともない女性の社会進出も進み
都市部に暮らす女性の4人に1人が働くようになっている。
これまで家にいることが多かった女性たちが社会に出て活躍し始めたことで
女性が暴力や誘拐などの犯罪に巻き込まれるケースが増えている。
そこで女性たちはいま
自らを守るために行動を起こし始めている。

インターネット上で大きな話題となっている写真。
牛のマスクをかぶっているのはインド各地の若い女性たちである。
牛はヒンドゥー教で“神の使い”として大切にされている。
女性に対する暴力が後を絶たないことから
“女性の命は牛より軽い”とのメッセージが込められている。
インドでは毎日900人近い女性たちが性暴力や誘拐・嫌がらせなど何らかの被害にあっていて
社会問題となっている。
写真は女性が軽視されていると訴えている。
「女性に対する犯罪がどれほど増えているか知ってほしい。
 牛のマスクをかぶらないと注目されないなんて悲しいです。」
女性の犯罪被害を減らすため
首都ニューデリーでは警察が女性警察官による対策チームを作り
護身術の講習会を開いている。
毎回10代や20代の女性たちが多く参加している。
講習会では身の回りにあるものを武器にして男性に反撃する手段を伝授している。
「10歳のころ
 近くを通った男性が私に触れてきました。
 間違ったことが起きていると思ったのですが
 何もできず
 後悔しています。
 今は何をすべきかが分かります。」
(警察官) 
「警察が24時間守るわけにはいかないので
 いざという時に戦う勇気を持ってもらいたい。」
女性たちが自らを守れるように伝統武術を普及させようという動きもある。
道場を開いているミーナクシさん(76)。
3千年以上の歴史があるとされる伝統武術「カラリ」の師匠である。
「カラリ」とは「戦場」という意味。
ヨガを取り入れた柔軟で強靭な体作りによって
相手の攻撃をかわしながら急所を突く武術である。
イギリス植民地時代はイギリスに対する脅威になるとして禁止されたが
ひそかに伝承されてきた。
毎朝5時半から250人の弟子の指導に励んでいるミーナクシさん。
女性への暴力が絶えない状況を憂い
カラリを習うよう呼びかけたところ
この5年で女性は約10倍
弟子の半数近くになった。
(ミーナクシさん)
「いま女性は家を出るだけでも危険なほどです。
 カラリを学んで1人でどこへでも行ける勇気をもってほしい。」
6月から道場に通い始めたニキラさん(27)。
武術を習うのは初めてである。
ニキラさんは学生のころ
友人たちが男性から嫌がらせを受けていたものの
注意をする勇気がなく
止められなかったことを後悔してきた。
(ニキラさん)
「男性から受けた嫌がらせは数えきれないほどです。
 まるで私たちに何をしてもいいかのようです。
 嫌がらせを受けても黙って忘れるしかありません。」
男性に対して物おじしないよう
ニキラさんは心と体を鍛えることにした。
毎朝2時間ほど指導を受け続け自信を持てるようになったと感じている。
中学生に理科を教えているニキラさん。
カラリを始めてから
犯罪を無くすには女性たちが声を上げなくてはならないと思うようになった。
教え子の女の子たちにも
様々な困難に立ち向かう勇気を与えたいという。
(ニキラさん)
「女性が男性より劣っていると思わせてはいけない。
 もっと社会に関わって主張するべきです。」
自ら身を守るすべを見出し
社会を変えたい。
行動を起こし始めた女性たちの声がインド中に広がり始めている。



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