子どもは自分が選んだものごとに上達することで、伸びていきます。たとえばサッカーを選ぶ、ピアノを選ぶ、ダンスを選ぶなど、自分でこれをやろうと決める中で、自分で選んだ、そしてうまくなったという過程を実感することで、意欲が高まるからです。
「好きなものこそ上手なれ」の言葉どおり、自分から求めれば上達します。さらに「がんばったからできるようになった」という学習効果があれば、さらに面白くなり、努力を持続させることができます。
「もっとうまくなりたい」という強い思いこそ、ここ一番といときに、子どもを突き動かし、力を発揮できるようになるのです。
児玉光雄さん(鹿屋体育大学教授)は、臨床スポーツ心理学者としてスポーツでチャンピオンになった人の思考・行動パターンの研究をしています。
彼によれば、最近さまざまな分野で本番に強くなるためのメンタルトレーニングがもてはやされていますが、結局メンタルの強さは努力に裏づけされたものからしか生まれないといっています。
いくらメンタルトレーニングを繰り返しても、肝心の基礎技術ができていない状態では、「ここ一番」に強くなることは不可能であるとのことです。
あるとき、イチロー選手はこう語っています。
「僕なんてまだ、できていないことの方が多いですよ。でも、できなくていいんです。できちゃったら終わっちゃいますからね。できないから、いいんですよ」
この言葉にも表れているように、「できないことに価値がある」ことを、親やコーチ、教育関係者は教えなければなりません。このことは学習にも通じます。
試合や発表会、コンクールで負ける、テストで思った点数がとれなければ、がっかりしてモチベーションが下がってしまうのが自然でしょう。しかし、それでは、子どもの精神力や成長力は養われないのでしょう。
本番に負けても、そこから何かをつかんだり、学んだりする態度が、「ここ一番というときに強い子」を生むのでしょう。
超一流のアスリートであるイチロー選手ですら、打率10割のバッターにはやはりなれないのです。しかし、そこに一歩でも近づくことはできます。
「勝つことよりも負けたことに感謝する」
負けて、ただ悔し涙を流すだけでなく、負けた試合やうまくいかなかったことから何かをつかみ取ることができれば、本番に強い子が育っていくのです。
一般的に子どもの経験と大人の経験は、その多さに大きな差があります。大人の方がさまざまな経験を重ねてきています。
ところが、大人は自分の尺度で考え、「なんでこれができないの?」とか「こんなこともできへんのか!」と言いがちになります。子どもはできないことが多くて当然なのです。
私たちは、子どもの可能性を信じて、子どものチャレンジの結果がうまくいかなかったときにこそ、気づきや学びが生まれるように支えるサポーターでありたいのです。
(本文は『本番に強い子を育てるコーチング』(河出書房新社発行、児玉光雄著)を参考に、一部文章を引用して書いています。
「好きなものこそ上手なれ」の言葉どおり、自分から求めれば上達します。さらに「がんばったからできるようになった」という学習効果があれば、さらに面白くなり、努力を持続させることができます。
「もっとうまくなりたい」という強い思いこそ、ここ一番といときに、子どもを突き動かし、力を発揮できるようになるのです。
児玉光雄さん(鹿屋体育大学教授)は、臨床スポーツ心理学者としてスポーツでチャンピオンになった人の思考・行動パターンの研究をしています。
彼によれば、最近さまざまな分野で本番に強くなるためのメンタルトレーニングがもてはやされていますが、結局メンタルの強さは努力に裏づけされたものからしか生まれないといっています。
いくらメンタルトレーニングを繰り返しても、肝心の基礎技術ができていない状態では、「ここ一番」に強くなることは不可能であるとのことです。
あるとき、イチロー選手はこう語っています。
「僕なんてまだ、できていないことの方が多いですよ。でも、できなくていいんです。できちゃったら終わっちゃいますからね。できないから、いいんですよ」
この言葉にも表れているように、「できないことに価値がある」ことを、親やコーチ、教育関係者は教えなければなりません。このことは学習にも通じます。
試合や発表会、コンクールで負ける、テストで思った点数がとれなければ、がっかりしてモチベーションが下がってしまうのが自然でしょう。しかし、それでは、子どもの精神力や成長力は養われないのでしょう。
本番に負けても、そこから何かをつかんだり、学んだりする態度が、「ここ一番というときに強い子」を生むのでしょう。
超一流のアスリートであるイチロー選手ですら、打率10割のバッターにはやはりなれないのです。しかし、そこに一歩でも近づくことはできます。
「勝つことよりも負けたことに感謝する」
負けて、ただ悔し涙を流すだけでなく、負けた試合やうまくいかなかったことから何かをつかみ取ることができれば、本番に強い子が育っていくのです。
一般的に子どもの経験と大人の経験は、その多さに大きな差があります。大人の方がさまざまな経験を重ねてきています。
ところが、大人は自分の尺度で考え、「なんでこれができないの?」とか「こんなこともできへんのか!」と言いがちになります。子どもはできないことが多くて当然なのです。
私たちは、子どもの可能性を信じて、子どものチャレンジの結果がうまくいかなかったときにこそ、気づきや学びが生まれるように支えるサポーターでありたいのです。
(本文は『本番に強い子を育てるコーチング』(河出書房新社発行、児玉光雄著)を参考に、一部文章を引用して書いています。