子どもの学習について、親はふつう子どもが長く勉強をしているほど安心します。
自分の部屋でよく勉強していると、親は「長くやっているね」とうれしくなります。
ですから、一般的に学力と学習時間の長さは比例していて、平たく言えば、学校の成績は家庭学習の時間が長いほど伸びると思われています。
さて、民間の教育研究団体のベネッセは、教育について調査を行い、そこから得られる知見は信頼性の高いものと、わたしは評価しています。
そのベネッセが、小中高生を対象に行った2022年度の学習調査の結果が報道されました。
それによると、前の年度より学校の成績が伸びた子は、自分で学習の工夫をしていることがわかりました。
そらに、学習時間の長さと学校の成績には際立った相関関係をみつけることはできないということでした。
ですから、たんに時間をかければいいというものではなく、子ども自身が工夫を重ねて上手な学習法を身につけたほうが、成績は伸びるのです。
たとえば、わたしは中学生のとき大学生の人から、基礎的なことを学習したあとで、問題集に取り組むときのやり方を教わりました。
①解答は必ず別紙に書きなさい。
②一度で正解だったものはもうやらなくていい。
③正解できなかったものの問題番号に印を入れなさい。
④2回目にするときは、印のついている問題だけやる。
⑤それでも同じまちがいをすることも多い。
⑥間違った問題にさらに印をつけると2つ印がつく問題がある。
⑦3回目はそれだけをやる。
⑧まちがわなくなる。
言われた通りにやると、たしかに数学や理科の成績がかなり伸びました。
私は学級担任をしているとき、生徒や保護者から「勉強の仕方を教えてください」と言われたとき、自分の経験から工夫した学習法をアドバイスしました。
このやり方が今の時代に求められる学力観でみた時、ベストな方法であるというには疑問が残りますが、学習の工夫をするほど学力が伸びるのは、その通りだと思います。
第一に、学習方法の工夫をするということは学習意欲、やる気の表れです。
その方法で一定の効果が出てくると、また意欲が高まり、さらに工夫を重ねるという相乗効果が生まれます。
結果として、学校の成績が伸びるというしくみになるのだと思われます。
また、調査を通して次のこともわかったそうです。
学習理解度が高かったり、成績上位層に入る子どもは、
自分に合った学習法を試している。
計画を立てて学習している。
何がわかっていないかを確かめながら学習している。
こどもが自分なりにに工夫して学習することは、学力向上につながることがわかります。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます