わたしは以前にテレビの視聴時間と学力の関係を中学生を対象に調べたことがありました。
テレビをみる時間が長い生徒ほど、学力が低くなるという傾向を明らかにしました。
テレビの視聴時間は、家庭での学習習慣の形成に大きな影響を与えます。
学習習慣が定まらないと、学校の授業で習ったことの定着が不十分になります。
定着が不十分なところに、次の日には学校で新しいことを習います。
この繰り返しが学力低下を招くのでした。
しかし時代はかわり、現代はテレビを見る子は減っています。
かわって、テレビのかわりにスマホで動画をみたり、SNSをみたり、書き込みをしたりする時間が学力に影響するかが課題となってきています。
この度、今年の4月に小6と中3を対象に実施した、全国学力学習状況調査の結果が公表されました。
それによると、スマホなどの利用時間が長い子どもほど、やはり正答率が低くなる傾向がわかりました。
小学生は国語、算数、理科の学力テスト、中学生は国語、数学、理科の学力テストを受けました。
とくに中学生で顕著に表れました。1日に4時間以上利用する生徒の正答率は41.4%で、30分以内の生徒の正答率は60.8%となり、20%の開きがありました。
また、新型コロナウイルス感染防止のため、家にいる時間が増えたのですが、それに伴い視聴時間が増えていることも明らかになりました。
スマホの動画やSNSはテレビとちがって、見たい時に見たいものがみれるのがテレビと違うところです。
テレビを見ている子どもの様子は、基本的に親も目撃して、「そろそろ勉強しなさい」などと言えます。
しかし、スマホの場合は、親の目が行き届きにくく、子ども自身の自制がきかないと、長時間のめり込むという事態にもなりやすいものです。
その状況の中で、スマホとうまく付き合っていく方法を見つけることが、現代的課題であるのです。
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