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皇居前広場の広大な敷地も蛤濠や桔梗濠にぶつかる形で終わります。この先は皇居前広場の緑地帯を南北に縦断していた内堀通りに沿って散策していきます。これから歩いていく「大手町」の界隈も江戸時代は江戸城の敷地内だったのですが、明治時代に現在の霞ヶ関のような中央省庁街となり、現在はオフィス街となっています。
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施設の老朽化に伴い2009年1月31日で一時休館となったパレスホテル。解体後、地上23階・地下1階建ての最高級ホテルとして建て替えし、2012年5月17日に「パレスホテル東京」としてグランドオープンしました。旧パレスホテルの建物のシックな雰囲気と比較すると軽快な雰囲気の建物となっています。
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真新しいパレスホテル東京の建物の南側には「和田倉噴水公園」の緑地帯が広がっています。写真で見ると鬱蒼とした木々が公園の敷地内を覆っていますが、実際には公園内に人口の池や噴水が張り巡らされています。
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両方共高さ200メートルの丸の内ビル、新丸の内ビルの間に通っている大通りが「東京都道404号皇居前東京停車場線」、通称「行幸通り」です。帝都復興院の関東大震災後の震災復興再開発事業の一環として、皇居の和田倉門から東京駅に通じる幅員73メートルの東京市を代表する広規格道路道路として建設されました。当初は道路中央から高速車線、イチョウ並木、緩速車線、歩道の配置でした。
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その後、中央車線は天皇の行幸と信任状捧呈式に向かう外国大使の送迎の車馬が通行する時にのみ使用される専用道となり一般車の通行は禁止された。その後、中央車線は再整備され、2010年(平成22年)4月12日に歩道兼馬車道として交通開放されました。ズームで撮影すると新緑のイチョウ並木の奥に丸の内駅舎が見えました。
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桔梗濠の脇に立っている「辰巳櫓」は辰巳の方向にあることからその名で呼ばれていますが、「桜田巽櫓」と呼ばれることもあります。
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「大手濠」の脇に林立している大手町エリアの高層ビル群です。高さ100~150メートル前後の高層ビルが密集しています。再開発工事が一段落している東京駅丸の内と違って、大手町周辺は現在も200メートルクラスの高層ビルが何棟も建設中で、タワークレーンが多く建っています。
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振り返って日比谷方向を撮影してみました。黒松の木々の緑地帯の奥には霞ヶ関の中央省庁のビル群が密集しているのがわかります。
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やや逆光気味になっていまいましたが、ズームで撮影した「桔梗門」です(手前の水面は「桔梗濠」)。桔梗門は皇居参観者や勤労奉仕者などが出入りする門で、「内桜田門」の愛称で呼ばれていますが、昔この門の瓦に太田道灌の家紋が(桔梗)ついていたことから桔梗門と 呼ばれるようになったとも伝えられています。
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桔梗濠を挟んだ対岸では護岸工事が行われていました。まぁ石垣だって永久にその強度を保てる訳もなく、定期的な点検が必要なのでしょうね。
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パレスホテル東京と和田倉噴水公園の間に流れているが「和田倉濠」です。皇居外苑の敷地そのものが日比谷通りに沿った和田倉濠、馬場先濠、日比谷濠に囲まれています。
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桔梗濠に沿って内堀通りの歩道を歩いていきます。大手町周辺の内堀通りも柳の木々が生えていますが、まだ新緑なのか枝が短いです。内堀通りは大手門交差点へ向かって緩やかな右カーブを切っていきます。
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桔梗濠の北端部に「大手門」の石垣と門が見えてきました。大手門の詳細については次回の記事で説明します。
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「大手門交差点」に到着しました。「大手町」は城郭の大手門の前の町を指す名称であり、当地は皇居の大手門(かつての江戸城正門)の門の前であるため名称の由来となっています。この辺は東京地下鉄東西線大手町駅を中心に5路線もの地下鉄が密集しており、また東京駅丸の内から歩いて5分もかからない場所にあるので交通の便が非常にいいです。
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大手町交差点から東側へ一直線に伸びている「永代通り」をズームで撮影してみました。この永代通りの真下に東京地下鉄東西線大手町駅が存在します。緑はいつも千葉方面から都心部へ向かうのに東西線大手町駅を利用する機会が非常に多いですが、駅の地上周辺を歩いたことはほとんどないです。
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地図の中心点は「大手門交差点」です。次回は大手濠の真下をトンネルで抜けている東京地下鉄東西線(水色のラインです)に沿って散策しながら終点である東西線竹橋駅へ向かいます。