
東京都道415号高輪麻布線はこの先、谷町ジャンクション方面へ向かって緩やかな下り坂となっていきます。緩やかな斜面地形を利用して首都高速都心環状線の飯倉入口のアプローチ道路が設置されています。

振り返って飯倉片町交差点方向を撮影してみました。写真の左下に写っているのが「行合坂」であり、この場所にあった谷津地形を土砂で埋め立てて、その上に幹線道路と都心環状線の高架橋が建設されています。この界隈は六本木の繁華街にほど近く、中層マンションが立ち並んでいます。

泉ガーデンタワーの手前の道路を右へ進み、六本木一丁目地区(地形的には「麻生仙石山」の高台地区)の中を散策していきます。周辺にはアークヒルズなどの再開発地区や真新しいタワーマンションなどが密集していて、道路もきれいに整備されています。

上を見上げると「アークヒルズ 仙石山森タワー」の巨大な高層ビルがそびえ立っているのが見えました。東京都心部の業務集積地区に程近いこの麻布台は戦前から続く住宅密集地だったのですが、森ビルによって業務地区や住居地区が混在するエリアに生まれ変わりました。

私「緑」はこのブログで中央区、千代田区、港区を「都心三区」のカテゴリーに分けていますが、中央区や千代田区といった業務集積地区と比較すると、ここ港区の麻布台地区は高台の中腹から谷底にかけての起伏に富んだ傾斜地の上にビジネス・住宅街が混在しているなど全く異質な雰囲気を持っていることが特徴です。

実際に麻布仙石山のエリアを歩いていると、再開発のオフィスビルやタワーマンションが林立していますが、道路で区切られている区画は、戦前の住宅街の時代の区画そのものが残されているのがわかります。

その意味では大名屋敷の跡地に建設された丸の内のビジネス街、江戸時代から続いている日本橋・銀座などの繁華街、淀橋浄水場跡地に建設された新宿副都心と比較すると、町並みの雰囲気そのものが「異質すぎる」と言えます。センスのない書き方かもわからないですが、東京都心部に位置しながら戦前から続く住宅密集地の「空気そのもの」と表現すればいいのでしょうか。

旧住友会館及び住友麻布ハイツアパート、戦前から続く住宅密集地の跡地に建設された「泉ガーデンタワー」。建物自体はすごく先進的だと思うのですが、麻布仙石山の高台や斜面の住宅密集地の中に唐突な感じに建っているこの建物は、やはり周囲の環境の中で「浮いている」感が否めませんでした。

麻布仙石山の住宅地の中に忽然と現れた再開発施設「アークヒルズ 仙石山森タワー」。やはり、かつて戦前の雰囲気の住宅密集地の強烈なイメージが強い緑としては、やはり違和感を感じてしまいました。

アークヒルズや六本木ヒルズ等、森ビルが手掛ける再開発工事は常に地権者との衝突の連続だったと言われています。森ビルは会社の方針として地権者一人一人に訪問して、長い時間をかけて説得を続けるという手法で再開発工事を進めてきた経緯があります。現在虎ノ門地区で実施されている再開発工事「環状2号線プロジェクト」はそれらの集大成と表現したものでしょうか。

下から見上げて撮影した「アークヒルズ 仙石山森タワー」です。25階~47階のオフィス階と、3階~24階のレジデンス(住居)階に分かれている構成となっています。高さ198メートルと、麻布台地区の中では最も高い高層ビルです。

先へ進み、霊南坂方面へ歩いていきます。

麻布仙石山の高台の中にひっそりとした雰囲気に包まれている「駐日スウェーデン大使館」の敷地です。

この周囲にはスウェーデン大使館を始め、スペイン大使館、サウジアラビア大使館など世界の小国の駐日大使館が数多く集まっています。流石に飯倉にあるロシア連邦大使館や、これから向かうアメリカ大使館と比較すると、小規模な大使館となっています。

大使館の敷地の木々が歩道にせり出してきているので、快晴の天気であっても夜みたいな雰囲気でした。

前方にはスペイン大使館の敷地が見えてきましたが、大使館というよりは神社仏閣の敷地のようにしか見えなかったです。

「スペイン大使館」です。英語とスペイン語の二つの言語の説明版が設置されていました。

スペイン大使館の敷地から歩道にせり出している木々を上に眺めながら散策を続けていきます。先には「ホテルオークラ別館」の建物が見えてきました。

虎ノ門から六本木一丁目にかけては、麻布仙石山を始め、城山、飯倉、愛宕山等標高が周囲よりも20メートル程高い丘陵地帯や谷津地形に囲まれています。