休日で人通りが全くない大手町地区のオフィスビル街の中を散策していきます。1960年代の高度経済成長期に建てられたオフィスビルと、2010年代になって進められている再開発工事によって誕生した最新鋭高層オフィスビルが林立しています。
逓信ビルを見上げて撮影しました。バブル崩壊後の1990年代は東京都心部の西側の新宿や渋谷、池袋などの副都心が新たなビジネス街として発展を遂げ、古いオフィスビルが取り残されていた東京駅周辺は相対的に地盤沈下してきました。
1990年代には東京都庁やJR東日本本社ビルが西新宿へ移転し、日経新聞に「黄昏(たそがれ)の丸の内」と揶揄されるほど落ちぶれてしまった経緯があります。そして2000年代に入って東京駅周辺の壮大な再開発計画が始まります。
その第一弾として2002年9月に華々しく竣工した「東京サンケイビル」です。産経新聞東京本社などが入居していて、低層階は「大手町サンケイプラザ」(貸会議室・イベント会場)と商業施設で構成される「メトロスクエア」が整備されています。
現在の日本で最も発展している地域の一つである大手町地区、建設中と今後の計画分を合わせ、今後数年内に延べ床面積約100万平方メートル、東京ドーム21個分のフロアが新たに供給される予定だとなっています。
この大手町ビルもそのうち解体されることになるでしょう。現在の丸の内や大手町の再開発の快進撃はすさまじく、新宿や渋谷などの副都心、同じ都心部内の六本木や汐留のオフィス街を圧倒しつつあります。
既に完成している大手町サンケイビルと、その北側にツインタワーとして林立している「大手町フィナンシャルシティ」の高層ビル群を撮影しました。
アーバンネット大手町ビル前から見上げて撮影した「東京サンケイビル」の全景です。
すでに大型オフィスビルが林立する大手町の再開発には、大規模な建て替えと既存オフィスの仮移転が必要です。解体・建て替え工事の3~5年は他のオフィスに移り、完成後、また戻ってくると2回引っ越さなければなりません。それならば1回の引っ越しで他のオフィス街への移転を考える企業も多くなります。
そこで採用されたのが「玉突き方式」「ドミノ方式」と呼ばれる再開発手法です。古いオフィスビルを取り壊して再開発工事によって新しい高層オフィスビルを建て、隣接している古いビル内の企業がスライドするように新しいビルに入るという方式です。
2000年に更地となった合同庁舎1・2号館跡地に隣接していた経団連、日本経済新聞社などが新社屋を建て、21年に入居しました。経団連などが引っ越したビル跡地などには2012年10月に「大手町フィナンシャルシティ」が完成し、やはり隣接する日本政策投資銀行などが入居する…という流れとなっています。
東京サンケイビル前の広大な広場を見渡して撮影しました。この日は年末年始の休日だったので、人通りは全くなく無人状態でした。
この「玉突き方式」「ドミノ方式」だと、再開発による建て替え時の入居企業の仮移転が不要になり、地域全体でスピーディーに再開発工事が進めることが出来るという利点があります。
広場前から見上げて撮影した東京サンケイビルです。これから隣接して建っている大手町フィナンシャルシティへ向かいます。