みどりの野原

野原の便り

12月4日 万葉植物野外講座 甘樫丘~万葉文化館~犬養万葉記念館

2022年12月04日 | Weblog

甘樫丘の万葉植物園路を講師先生と巡る。
万葉植物を見ながら園路を歩くという機会もあるようでないので、今日はいい機会だった。

 
赤や黄色に色づいたイロハモミジ
万葉集では「黄葉(もみち)」「かへるて」と詠まれている。
現代と違って黄葉が好まれたようだ。

甘樫丘の遊歩道には万葉集や古事記・日本書記に詠まれた植物も植栽されていて、40種の植物がクイズ形式で学べるように番号が付けられている。

・万葉集の中の「楓」はカツラのこと。
 後に「桂」が用いられるようになるまで「楓」が使われたらしい。
 紛らわしい。
・ニワトコは「山たづ」
 ニワトコは、羽状複葉の葉が対生している。
 それが、両手を広げて人を迎える姿に重ね「迎え」にかかる枕詞となったとか。
古代の人の発想のユニークさ。

・カナメモチは「ソバノキ」・ ヒサカキは「伊知佐加紀」
・ヌルデは「かづの木」・シャシャンボは「佐斯夫(さしぶ)」
・アカメガシワは「久木」・エゴノキは「ちさ」・ケヤキは「槻」・・
万葉集や古事記・日本書記などには古名で出てくる。

・アキニレは「もむにれ」
「もむにれ」を詠んだ万葉歌「乞食者(ほかひ)が詠う歌」
(芦原に住んでいる私(蟹)を天皇がお召しになる。何でかな?思いながらとにかく参上すると・・)
「・・片山のもむにれの枝を剥いで私(蟹)を吊るし、日に十分干した上、韓臼で搗き、手臼で粉にしたところに、住んでいた芦原の塩を垂らして、陶人の作った甕を取り寄せて混ぜ入れて、天皇が召し上がるよ」(正確ではないかも)
とにかくそんな(蟹の塩辛)にされて食べられる「蟹の痛み」を詠んだ歌だという。
これもユニークな発想。 金子みすゞを思い出した。
佐賀の珍味に蟹の塩辛「がんつけ」というものがあるらしい。


時に落ち葉の道をがさごそ歩きながら、万葉歌を朗誦し、遊歩道をめぐる。


甘樫丘展望台から西を望む。
右に畝傍山。後ろに連なる金剛・葛城山は古代は合わせて葛城山とよばれた。


下る途中の犬養孝氏揮毫の万葉歌碑
「采女の袖吹き返す 明日香風 京を遠みいたづらに吹く」志貴の皇子

午後


飛鳥坐神社


大原神社 藤原鎌足誕生地といわれ、産湯の井戸がある。


天武天皇の歌(右)と、藤原夫人の応えて歌う歌。
機知に富んだ応答は心和む。好きな歌だ。


 見事に並んだターサイ(ターツァイ)畑


万葉文化館への途中の万葉歌碑 志貴の皇子

万葉文化館


里中満智子氏揮毫の絵入り万葉歌碑 駐車場


万葉歌碑 明日香民俗資料館そば 


上も下も紅葉


犬養万葉記念館

古代衣装展を見る。


天武天皇 持統天皇の衣装


大海皇子 額田王の衣装

人物が示されていてわかりやすい。
ここで解散となる。

コメント
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