CubとSRと

ただの日記

知らなかったことがいっぱい

2022年09月09日 | 心の持ち様
(読者の声1)
 「ユダヤ人と日本人について」

 ユダヤ人については、いろいろな意見があるが、騙されるといけないので、日本人としての常識を知っておきたい。

1.日本民族とユダヤ民族は、民族的な関係はない。当たり前である。ユダヤ人が極東の果てまでやってくる理由がないからだ。関係が出来たのは明治時代で、お雇い外人に多くのユダヤ人がいたという。モスのような総理大臣伊藤博文を助けて日本の法制度の近代化に貢献した人物もいた。
 そして日露戦争では、米国の金融家シフが日本の戦時外債を買ってくれたので、明治天皇が大変感謝された。これを知っていた日本軍はユダヤ人に恩義を感じており、それが、第二次大戦中の日本の五省会議によるユダヤ人救出方針に関係している。

2.日本との宗教的な類似性は民族宗教で、一神教(キリスト教)のような宣教師がいないことで、異教徒に改宗を要求しない。だから日本人と共存できるということである。

3.ユダヤ人はローマ帝国に反乱を起こし紀元二世紀に、祖国の地域から追放され各地に離散した。アフリカ(エチオピア)、中東、欧州(英国と大陸)、ロシア東欧などである。
 各地で発展し、英国の大宰相ディスレーリはユダヤ系英国人である。

4.キリスト教徒のユダヤ人迫害は、キリスト教がユダヤ教の国際版だから、本家を憎むのである。欧米人が本来の欧州の民族宗教を捨てて、旧約聖書などユダヤ教の教典を信じているのは、実に奇怪だが事実である。聖母マリヤがユダヤ人であると知って腹を立てている。混乱しているのだ。
 欧州、東欧、ロシアには、ユダヤ人を襲って財物を強盗する古い犯罪慣習がある。ポグロムである。ヒトラーのユダヤ人迫害はその歴史的延長線上にある。

5.ユダヤ人と共産主義運動の関係は、マルクスがユダヤ人であったこと、ロシア革命の幹部にユダヤ人が多かったことなどから。ヒトラーを含め戦前から指摘する人がいた。
 マルクス主義の本質は、終末論と言って、古代ゾロアスター教から、ユダヤ教、キリスト教に伝わった歴史観である。世界が終末に至ると、ゴッドが世界を破壊して、世界は新しくなるという救済願望の思想だ。
 マルクスはこれを、19世紀の、政治、哲学、思想、経済論などを動員して偽装したのである。だから、「マルクス主義は終末論の世俗化」と言われるのである。
 しかしこの暴動一本槍の思想は、一九世紀末には労働者から見捨てられてしまった。(詳しくは拙著「誰も書かなかったリベラルの正体」参照)
 それを拾い出したのがロシア共産党のレーニン等である。
 共産党運動にユダヤ人が多かったのは、当時欧州で勃興する民族主義運動に入れないので、無国籍の共産主義運動に走ったという。思想も終末論なのでなじみがあったのだろう。
 スターリン時代、ユダヤ人は使われたが、信用されず、民族粛清を受ける可能性があった。一九五三年のユダヤ人医師陰謀事件だ。しかし幸いスターリンは粛清開始前に急死してしまった。

 日本人とユダヤ人
 両民族は、地政学、歴史、宗教的に敵対しないから共存が可能だ。協力して発展するのがよい。それでなくても敵の多い国際社会で、自分から敵を作る馬鹿はいない。
   (落合道夫)



「宮崎正弘の国際情勢解題」 
     令和四年(2022)9月8日(木曜日)
        通巻第7456号より 
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