書評 BOOKREVIEW
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中国がまったく興味の無かった「南京大虐殺」をでっち上げたのは米国だ
日本軍人が残虐だったと歴史をねじ曲げ、「2発の原爆も正義の鉄槌」にしちゃった
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高山正之『変見自在 安部晋三を葬ったのは誰か』(新潮社)
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『週刊新潮』巻末のコラム傑作選も本書でシリーズ17弾になる。未曾有の記録、いかにあのコラムの人気が高いかを物語る。
なにしろ倫理、道徳が欠落した、かの極左新聞は「史実をごまかし、陛下まで貶め、しかしながら「特定の人」には信じられないほどの忖度をする。倫理観も定見もない大メディアが真実を語れる筈がない」。
これが本書の基本スタンスである。「かの極左新聞」がどの新聞かは言うまでもない。
厚顔無恥の反日新聞は、いまだに反省の色無く、極左方向へ暴走を続け、反日路線を驀進中だ。
1988年に評者(宮崎)は米国大統領選挙を取材に行った帰路、ワシントンからロスに立ち寄った。時間が空いたのでジョン・ダワーに電話して、インタビューを申し込んだ。ところが、きっぱりと断られた。
ダワーは「近代史家」らしいが、著作の中味は出鱈目である。
『敗北を抱きしめて』では日本軍の「悪行」を書き連ね、「占領地で略奪し、女を襲い、赤ん坊を放り上げては笑いながら銃剣でさしていた」などと見てきたような嘘を並べた。
高山氏が言う
「それはみな聞いたことがある。第一次大戦さなか、ベルギーを占領した独軍は民家まで襲い、暴虐の限りを尽くした。将来の抵抗勢力になる子供たちは銃が持てないよう、その手首を切り落とされた。産院も襲われ、看護婦は犯され、保育器の赤ん坊は放り上げて銃剣で刺した。(中略)ところが戦後、「資産家が手首のない子供たちを引き取ろうと探したが、見つからなかった」。
アーサー・ポンソンビー『戦時の嘘』には「戦時下の報道を検証したら犯された看護婦も殺された赤ん坊もいなかった」と指摘した。
こうしたフェイク情報、捏造記事は、米広報委員会(CPI)が関与した。ウィルソン大統領が創った組織で、嘘放送の発信で戦況を有利に導き、国民を戦争に誤導した。
現代世界でSNS空間に飛び交うフェイク情報の元祖?
東京裁判では聞いたことない嘘が、GHQによって後追いで語られ、反日のメディアが報じた。
目的は日本人が残虐だったことにねじ曲げて「2発の原爆も正義の鉄槌だった」という東京裁判史観に上書きされたのである。
それでも飽き足らない。
そこで中国がまったく興味の無かった南京大虐殺をでっち上げた。最初は二万人の虐殺死体がごろごろしていたと朝日新聞に書かせたが、それじゃ原爆の死者に勘定があわないので、十倍にした。江沢民は日本の援助をねらって、さらに南京の虐殺人数を30万人にかさ上げし、南京の出鱈目記念館を改装し、学生や軍の必見見学ポイントに指定した。
四半世紀前に評者が初めて南京に入ったとき、当時はタクシーに盗聴器もなかった時代で、運転手が、いきなり「日本人、ここで30万人を殺したな」と絡んできた。
「あれは共産党の政治宣伝だ」というと、すぐに得心し「あやつらが一番悪い」と言ったあとで、付け加えた。「日本でタクシー運転手やると幾ら稼げるか?」
軍人たちの集団がまるで遠足行事のように見学しているとき、たまたま評者、改装された南京大虐殺記念館を二度目の見学中だった。30万人のファイル箱は、開けてみるとそれぞれに紙入れが一枚入っていた。
中国軍人らの会話を思い出す
「これ(見学)おわったら自由時間になるけど、どこに遊びに行く?」
「こんな展示みて何か意味あるんかね」
さて表題の安部暗殺犯人だが、反日メディアの扇動という推論になる。高山氏の連作は毎年の清涼剤、この本を読むと精神がシャキッとなるのは評者だけではないだろう。
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)12月16日(土曜日)
通巻第8051号 <前日発行>より