11月12日(日)
朝、5時25分に散歩に出る。
霧粒かと思ったくらい小さな雨粒が顔に当たる。もう少し早く出ていれば良かったかな、途中で引き返すことになるかも、と思いながらも歩き続ける。
結局は、霧粒より大きく雨粒より小さい水滴と共に散歩コースを往復したものの、まともに降られることは遂になかった。
家に帰って初めて、昨晩から洗濯物を干していたことを思い出した。
急いで家に入り、洗濯物を取り込み、改めて鴨居から吊り下げる。
雨が降っているわけでもないのに慌てて洗濯物を取り込みに行く、というのは考えてみれば妙な行動ではある。前後に人影も車影もないのを確かめてから徐にウィンカーを点け、右左折をするような。
しかしこういう一連の決まり事への応対というものは(「脊髄反射」という言葉が流行ったけれど)、いちいちその都度考えることなく無意識に採るということが大事なんだと思う。人がいなくてもウィンカーを点ける、車影は見えずとも右左右と確認して横断歩道を渡る、とか。
社会生活を存続させる上で、習い性と言ってもいい無意識の動作、仕種が危険を回避するための最も有効な手段だ。「前頭葉でなく指先で考える」、というか。
本当のところは五感を研ぎ澄ませようと前頭葉に意識させることなんだろうけど。
洗濯物は心なしか少し湿っていた。
いつ降り出すかといった空模様ながら、予報では「夜になってから小雨が降る」という。
一日こんな天気で、当然外出する気にはならず。
夕方になって西の方、垂水の上空辺り、雲が切れて橙色の陽光が光の柱のように垂水沖の海を照らし出す。
鬱屈していた気持ちが急に晴れていくような気分になる。
明日も午前中は怪しいらしい。
そうなるとまた出られなくなるわけだが。