以前にも書きましたが、ちょっと前にEU加盟前後の不動産バブルがはじけた上にやってきたクリザタ(この場合は経済危機)で、ソフィア市内でも建設途中で建設現場がもうそのまま見捨てられ、残された資材は盗られ放題・・・ (馬車でガンガン来てます) リューリン地区も例外ではなく・・・ 建設関係で雇われた人たちも給料未払いのまま。そして、残されるのは現場の見張りとして飼われていたワンちゃんたち・・・ 元々ノラ犬やその子供達、彼らも仕事がなくなるとただのノラ犬に逆戻り、カワイソウだけど・・・
日本でいうところのシェパードくらいの中・大型犬がその辺にのさばり、ウロウロ・・・という状況でした。お肉屋さんで買い物したあとは、「あ~、どうぞ、犬たちに会いませんように!!」と祈る気持ちで家に急ぎます。
が、ここのところ、少しずつ変化が・・・ ウチのブロック(住居棟)の前に「定住」していたノラちゃんたち4頭・・・ 1頭減り、また1頭姿を消し・・・ いったいどうしたの? 同じ棟の別のヴホッド(入口)に住むトニーとイリアーナは、
「どうもこの辺で”オトローヴァ”している人がいるらしい・・・」
オトローヴァ・・・ 毒、つまり毒を盛る、というか毒入り食べ物をわざとノラ犬たちにあげて殺処分しているということです。今まで日本のようにノラの動物を保健所のようなところで処分するということはしなかったブルガリア。ブルガリアでのノラ犬対策といえば、避妊手術をして再び放す(手術済みの犬達の耳にはバッチが・・・)こと。でも、そんなバッチのついた犬達からも子供が生まれたりして、「何なのこれ?」と思っていたのですが、とうとうブルガリア人も、政府の政策をあてにせず自分達で自分の家族を守るために(?)こういうことを始めたようです。
バブル期は終わったとはいえ、地下鉄建設中のブルガリアの首都ソフィアは、その沿線の地価はまだ落ちないようで、同じリューリン地区でも、7丁目はいまだに新しいビルが建てられて、そこはもう、ノラ犬たちが何十頭単位でノサバっていて超キケン!!
でも、ここでもゴミ捨て場をたまに見るとノラ犬の死体が捨てられています・・・ 一瞬「これって牛?!」と思うほどの超大型犬。どう見ても自然死でも事故死でもない・・・ 近所の別の所にいた犬もなんか減少、残っている犬達も顔に恐ろしいほどケガしていたり・・・ 特に吠えかかってきたり、走ってくる車に襲い掛かろうとするような性格の犬達から消えているような・・・ クロトコ(静かでおとなしい)な犬達は逆に生き残っているようで、そこに人為性を感じざるを得ません。不景気でイラついている多くの若いブルガリア人、特に男の子たち!! そのハケ口はノラ犬たちに向いているのか? ちょっと女の子ができる悪いことではないような気がするけど・・・ でも、毒を盛っているのは女の人?現場を見ていないので何とも言えません。
写真はウチのヴホッドに「半住人」になっている中型のノラ(メス)。彼女の耳にもバッチをしていた痕がありましたが、冬に子犬を何匹か産んでたなあ・・・ この犬、ウチの下の階の住人がえさをあげたり、家の中にすら入れたりしているので、ヴホッドが閉まっているとアイソを振りまきながら「中に入れてワンっ!!」とついてきます。特に私がごみを捨てに行ったり、買い物をして帰ってきたときにはしっぽだけではなくおしりまでフリフリ、頭をゴンゴンぶつけながら「エヘエヘ、ちょうだいワンッ!!」 でも、あげません。「4階のお前のご主人様のところに行きなさいッ!! それにかわいがっているネコたちを見つけては追い掛け回していじめてるジャン(激)!!」
一度ヴホッドの入口の中側にフンをしてしまって・・・ ちなみにヴホッドの扉の外にはしょっちゅう犬の糞はあるので、踏まないように気をつけているのですが、中にしたフトドキなヤツはこいつだけ!! そのことでワタシの中では「ウンコちゃん」と命名(爆) だって隣人達にはこの名前、何のことやらサッパリわかんないもんネ~!! 「ウンコちゃん、元気ー?」とヴホッドの中にいるときに呼んだら、「わたし、ウンコじゃないモン」とでも言うように知らんぷり。写真のようにフテ寝。ちょっと裏表あり過ぎよ(怒)!! この犬の生き残りの知恵は、こうやって人間の庇護の下に住むことなんでしょうね!